1. リンパ浮腫とは
**リンパ浮腫(りんぱふしゅ)**とは、がんの手術や放射線治療などでリンパ管やリンパ節の働きが弱まり、皮膚の下にリンパ液(タンパク質を多く含む液体)がたまってしまうことで起こる慢性的な「むくみ」のことです。
通常、リンパ液は全身をめぐり老廃物や余分な水分を回収して心臓へ戻ります。しかし、乳がん・子宮がん・卵巣がん・前立腺がんなどで リンパ節切除 や 放射線照射 を行うと流れが滞りやすくなり、腕や脚にむくみとして現れるのです。
2. 発症時期
- 手術直後から出る場合もあれば、10年以上経ってから発症するケースもあるため注意が必要です。
- 「もう時間が経ったから大丈夫」とは言えず、生涯にわたりリスクがあります。
3. 主な症状
- 腕や脚のむくみ(片側だけ太くなる)
- 重だるさ・張り感
- 関節の動かしづらさ
- 皮膚のつっぱり感
- 放置すると皮膚硬化・感染(蜂窩織炎)を繰り返すことも
4. なぜ注意が必要?
一度発症すると完治は難しく、「進行性」である点が特徴です。早期対応すれば軽度でコントロールできますが、放置すると悪化して日常生活に支障をきたします。そのため 予防と早期発見 が非常に重要です。
5. セルフチェックと受診タイミング
- 指輪や靴下跡が消えにくい
- 左右差を感じる
- 重だるさ続く
こうしたサインを感じたら、「いつから」「どこに」「どんな様子か」をメモして主治医へ相談してください。専門的には「リンパ浮腫外来」などで評価・ケアを受けられます。
6. 日常生活でできる予防ケア
現在確実な予防法はありません。ただし以下工夫でリスク軽減につながります:
- 適度な運動 → 筋肉ポンプ作用でリンパ流れ促進
- 適正体重維持 → 肥満はリスク因子
- スキンケア徹底 → 傷口から感染しないよう保湿&清潔保持
- 締め付け衣類避ける/重い荷物長時間持たない
【まとめ】
リンパ浮腫とは、手術や放射線治療によって傷ついたリンパ系の流れが滞り、腕や脚などに慢性的なむくみを生じる状態です。
一度発症すると完治は難しいため、「予防」と「早期発見」が何より大切。
不安な変化を感じたら自己判断せず主治医へ相談してください。“気づいた時点で相談”することこそ、自分らしい生活を守る第一歩になります✨