抗がん剤治療を受けていると、多くの方が経験する副作用のひとつが「脱毛」です。
髪だけでなく眉やまつげ、体毛まで抜けることがありますが、特に頭皮は外気にさらされやすく、乾燥・かゆみ・赤みなどトラブルを起こしやすい部位です。
そこで大切になるのが頭皮ケアです。ここでは一般的な情報をもとに、治療中でも安心してできる頭皮ケア方法をご紹介します。
1. 清潔を保つ
- シャンプーは低刺激タイプを使用
弱酸性・無香料・低刺激性のシャンプーがおすすめです。泡立てネットでよく泡立て、指の腹で優しく洗いましょう。爪を立てたりゴシゴシこするのはNGです。 - 洗う頻度は毎日または汗ばむ時のみ
無理せず、その日の体調に合わせて行ってください。
2. 脱毛期の工夫
- 髪が抜け始めたら短くカットすると抜け落ちによるストレス軽減につながります。
- 枕カバーやタオルキャップ利用で抜け毛散乱への不安も和らぎます。
- 洗髪が難しい日は、市販ドライシャンプーや蒸しタオル清拭でもOKです。
3. 乾燥対策
- 自然乾燥または弱風ドライヤー
熱風直当ては避けましょう。タオルで押さえるように水分を吸収した後、必要なら冷風または弱風で仕上げます。 - 保湿ローションやジェル
敏感肌用ローションで軽く保湿すると乾燥予防になります(アルコールフリー推奨)。
4. 紫外線・外的刺激から守る
- 外出時には帽子や医療用ウィッグで紫外線対策&保温しましょう。特に夏場の日差しや冬場の冷気から守ることが大切です。
- 素材はコットンなど通気性良いものがおすすめです。
5. 頭皮マッサージについて
抗がん剤投与中は頭皮自体がデリケートになっているため強いマッサージは避けましょう。「血流促進=発毛効果」と思われがちですが科学的根拠は乏しく、むしろ炎症悪化リスクがありますので注意してください。
6. 再発毛期のお手入れ
治療終了後2~3か月ほど経つと新しい髪(産毛)が生えてきます。この時期も優しいケア継続を心掛けましょう。
- 刺激少ないシャンプー継続
- ブラッシングより手ぐし中心で扱う
- カラーリングやパーマ再開時期については必ず主治医へ相談
【まとめ】
抗がん剤治療中の頭皮ケアでは「清潔」「乾燥予防」「紫外線対策」の3点が基本。
不安な変化(赤み・強いかゆみ・湿疹など)があれば自己判断せず早めに主治医へ相談してください。
一人ひとり違う悩みに寄り添ったサポート体制があります。“あなた自身”だからこそできるペースで無理なく取り入れてくださいね!