### 抗がん剤治療中も自分らしく輝くためのトータルコーディネート

抗がん剤治療を受けることになると、不安な気持ちになりますよね。

お肌の変化や髪の毛の問題、体調の波など、これまでとは違う体験をすることになります。

でも大丈夫。ちょっとした工夫で、治療中も自分らしさを保ち、前向きに過ごすことができるんです。

私はアピアランスケア(外見ケア)の専門家として多くの患者さんをサポートしてきました。

その経験から、あなたやご家族の心と体に寄り添う実践的なアドバイスをお届けします。

### お肌と心に優しい素材選びが基本

抗がん剤治療が始まると、お肌が今までよりもずっと敏感になります。

これは薬の影響で起こる自然な反応なんですよ。少しのこすれでも痛みを感じたり、以前は平気だった洗剤でかぶれたりすることも。

そんな時は、お肌に直接触れる服の素材選びがとても大切です。

オーガニックコットンやシルク、リネン、竹繊維などの天然素材がおすすめ。特に下着やパジャマは肌触りの良いものを選んでくださいね。

「うちの病院では、治療中の患者さんの8割が下着の不快感を訴えていました。

オーガニックコットンの下着に変えただけで、多くの方が快適に過ごせるようになりましたよ」と、ある看護師さんから聞いたことがあります。

また、縫い目が外側になっているインナーや、タグがプリントされているタイプの服は、摩擦や刺激が少なくて快適です。

もし気になるタグがあれば、あらかじめカットしておきましょう。

### 体調の波に対応する賢い着こなし術

「朝は寒くて、午後は急に暑くなって、夕方にはまた寒気がする…」これは抗がん剤治療中によく聞く声です。

体温調節が難しくなるのは、治療の一般的な副作用なんですよ。

こんな時に便利なのが「レイヤードスタイル(重ね着)」です。基本は3層構造です:

1. 肌に優しい素材の薄手インナー
2. 季節に合わせた主役となる服
3. サッと脱ぎ着できる羽織もの

特に3つ目の「羽織もの」は必須アイテム!カーディガン、ライトジャケット、ポンチョなど、脱ぎ着しやすいものを複数用意しておくと安心です。

病院は意外と冷房が効いていることが多いので、薄手のブランケットやストールを持ち歩くのもおすすめですよ。

「治療を始めてから体重が変わって、服がきつくなった(またはゆるくなった)」という声もよく聞きます。

そんな時は、ウエストがゴム仕様のボトムスや、ドロップショルダーのトップスなど、体型の変化に対応しやすいデザインを選ぶと良いでしょう。

### 色と小物で元気をチャージ!気分アップのコーディネート

「鏡を見るのが怖い」そう感じる日もあるかもしれません。でも、ちょっとした色の工夫で、見た目も気分も明るくなるんですよ。

特に顔周りの色選びは重要です。

スカーフ、マスク、イヤリングなど、お顔の近くに明るい色や自分の好きな色を持ってくるだけで、表情が生き生きと見えます。

肌が青白く見える時は、サーモンピンクやピーチ、コーラルなどの血色カラーがおすすめ。

逆に赤みが気になる場合は、ブルーやグリーン系の小物で中和させると自然な印象になります。

「治療中、いつも同じスカーフを巻いていた私。ある日、娘が『ママ、これも試してみて』と明るい色のスカーフをプレゼントしてくれました。

つけてみたら、鏡の中の自分が久しぶりに笑顔に見えて。小さな変化ですが、気持ちが前向きになりました」とある患者さんは語ってくれました。

アクセサリーは金属アレルギーが出ることもあるので、チタンやステンレス、樹脂素材など肌に優しい素材を選びましょう。

また、重いアクセサリーは疲れの原因になるので、軽いものがベターです。

治療中の外見ケアは「おしゃれ」以上の意味があります。

それは自分自身を大切にするセルフケアであり、前向きに過ごすための大切な心の支えになるのです。

ぜひ、あなたらしいスタイルで治療の日々を乗り越えていってくださいね。