抗がん剤治療による脱毛は、多くの患者さんにとって大きな心配事です。
治療終了後、2〜3か月ほどで産毛が生え始め、半年〜1年ほどで徐々に元の状態へ近づいていきます。
しかし、生え始めたばかりの髪は細く柔らかく、とてもデリケート。だからこそ「正しい髪と頭皮のケア」が重要になります。
ここでは、一般的な情報をもとに、治療中・治療後の髪のケア方法をご紹介します。
1. シャンプー・洗浄
- 低刺激シャンプーを使用
無香料・弱酸性・アルコールフリーなど敏感肌用がおすすめです。 - 泡で優しく洗う
爪を立てず指の腹でマッサージするように。ゴシゴシ摩擦はNGです。 - 頻度は体調に合わせて
毎日必須ではなく、汗や汚れが気になる時だけでもOKです。 
2. ドライ方法
- タオルドライは押さえるように水分吸収(こすらない)。
 - ドライヤー使用時は冷風または弱風推奨。熱風直当ては乾燥やダメージ原因になります。
 - 自然乾燥ベースでも構いませんが、湿ったまま放置せずしっかり乾かしましょう。
 
3. 頭皮保湿
- 抗がん剤治療中や直後は頭皮乾燥しやすいため、敏感肌用ローションや保湿ジェルを薄く塗布すると快適です(アルコールフリー推奨)。
 - 入浴後10分以内に保湿すると効果的です。
 
4. 紫外線対策
- 生え始めたばかりの髪と頭皮は紫外線ダメージを受けやすいため、外出時には帽子や医療用ウィッグで保護しましょう。
 - 夏場だけでなく冬場も紫外線対策を意識してください。
 
5. カラーリング・パーマ再開について
- 新しい髪は非常にデリケートなので、カラーやパーマ再開時期については必ず主治医へ相談してください。一般的には半年〜1年以降がおすすめです。早すぎる施術は炎症リスクがあります。
 
6. 食生活・生活習慣
- 髪の成長にはタンパク質(肉・魚・卵・大豆製品)、ビタミンB群(緑黄色野菜)、亜鉛(牡蠣・ナッツ類)など栄養バランスが大切です。
 - 睡眠不足やストレスも発毛遅延につながるため、規則正しい生活リズムを意識しましょう。
 
7. ウィッグとの付き合い方
- 発毛初期でも外出時にはウィッグ併用可能。「今日は帽子だけ」「短時間なら地毛」と少しずつ移行していけば安心です。
 - 自然な伸び具合に合わせてウィッグサイズ調整やカット調整サービス利用もおすすめです。
 
【まとめ】
抗がん剤終了後、新しい髪は必ずしも以前と同じ質感では戻らないことがあります。
しかし多くの場合半年〜1年ほどで落ち着きます。
その間、「低刺激シャンプー」「優しいドライ」「頭皮保湿」「紫外線対策」の4点を基本として丁寧にケアしましょう。
不安点あれば主治医や病院内アピアランス支援窓口へ遠慮なく相談してください。“焦らずゆっくり育む”ことこそ最大のヘアケアです!
                        
















