### 季節の変化に合わせた肌と爪のケア調整法
抗がん剤治療を受けると、お肌や爪に思いがけない変化が現れることがあります。
「なんだか肌がカサカサする」「爪が割れやすくなった」など、お悩みではありませんか?
ここでは、実際に多くの患者さんから寄せられた声をもとに、季節ごとの対応策をご紹介します。
副作用の現れ方は人それぞれですが、このアドバイスが少しでもあなたの日常を快適にする助けになれば嬉しいです。
### 季節によって変わる症状と対策のポイント
春から夏にかけては、強い紫外線があなたの肌を刺激します。抗がん剤治療中は肌が通常よりずっと敏感になっているんです。
「少しの日差しでも赤くなる」「すぐにかゆくなる」といった経験はありませんか?
対策としては:
・SPF30以上、PA+++以上の低刺激な日焼け止めを選びましょう
・2〜3時間おきに塗り直すと効果的です
・日傘や帽子、長袖の服で物理的に守ることも大切
・爪も日光に弱くなるので、外出時は薄手の手袋があると安心です
秋から冬は乾燥との戦いです。「顔がつっぱる」「手の甲がカサカサして割れる」といった症状が増えます。この時期は:
・セラミドやヒアルロン酸などの保湿成分が豊富なクリームを選びましょう
・入浴後10分以内—お肌がまだしっとりしているうちに保湿すると効果が倍増!
・夜は少し多めに塗って「ナイトパック」すると翌朝までうるおいが持続します
・爪とその周りには、ホホバオイルやシアバターなどの天然オイルが特におすすめ。刺激が少なく、じっくり浸透します
### 環境変化への順応と室内環境の整え方
治療中のあなたの体は、急な環境変化に対応するのが難しくなっています。
「季節の変わり目に肌荒れがひどくなる」という声をよく聞きます。そんなときは:
・季節の変わる2週間前から、徐々にケア製品を切り替えていきましょう(例:さらっとした夏用ローションから、少しずつ保湿力の高い製品へ)
・いきなり製品を変えず、まずは週に2〜3回から新しいケアを取り入れるのがコツです
お部屋の環境も大切な味方になります:
・湿度計を置いて、50〜60%の湿度を保つようにしましょう
・加湿器の水は毎日取り替え、清潔に保つことが大切
・エアコンの風が直接当たると乾燥が加速します。風向きや位置を工夫してみてください
・冬は濡らしたタオルを部屋に干したり、洗濯物を室内干しすることも自然な加湿方法です
・観葉植物を置くと湿度調整に役立つだけでなく、心も癒されますよ
### 年間を通じた効果的なケアのリズム作り
「何をどうしたらいいのか分からない」という声もよく聞きます。私がお勧めするのは、あなただけの「ケアダイアリー」をつけることです:
・スマホのメモ機能や小さなノートで十分です
・その日の肌や爪の状態、使った製品、感想を簡単に記録してみましょう
・「この日は肌が特に調子が良かった/悪かった」「この製品は合った/合わなかった」といった情報が宝になります
・治療の前後3日間は特に丁寧にケアする日と決めておくと、メリハリがつきます
何より大切なのは、自分の変化に早く気づくこと。
毎日鏡を見る習慣をつけて、「なんか違うな」と感じたらすぐに医療スタッフに相談してください。早めの対応が大きな悩みを防ぎます。
ご家族の方へ:患者さんは気づかないうちに疲れていることも。
「このクリーム塗ってあげようか?」と声をかけたり、肩や手のマッサージをしながらオイルを塗ってあげると、スキンシップにもなり喜ばれますよ。
一緒に乗り越える姿勢が、何よりの支えになります。