### 抗がん剤治療中の肌トラブル対策〜プロが教える効果的なメイクテクニック

#### 肌の赤みや敏感肌への対処法

こんにちは!抗がん剤治療を受けると、お肌が今までにないほど敏感になり、赤みが出やすくなることがあります。

「なんだか肌が荒れやすくなった」と感じている方も多いのではないでしょうか。

まず大切なのは、肌に優しい下地選びです。

グリーン系のコントロールカラー(色を補正する化粧下地)が赤みを中和する効果バツグン!

これは赤と緑が互いを打ち消し合う「色の補色理論」を利用したものなんです。

赤みが気になる頬やあごなど、部分的に薄く重ねるのがコツです。

指の腹を使って「ポンポンと優しく叩き込むように」塗ると、ムラなくきれいに仕上がりますよ。

全顔に塗る必要はありません。気になる部分だけでOKです!

ファンデーションは刺激の少ないミネラルタイプが特におすすめ。

「ミネラルファンデーション」とは、天然ミネラル成分でできた肌に優しいファンデーションのこと。

清潔なスポンジで薄く重ねることで、赤みをカバーしながらも「メイクしてます!」という不自然さを感じさせない仕上がりになります。

覚えておいてほしいのは、厚塗りは避けること。「何も塗っていないように見せる」のが理想的なメイクなんです。

治療中だからこそ、自然な美しさを大切にしましょう。

#### 乾燥小じわが目立たないメイク術

抗がん剤治療中は、今まで経験したことがないような肌の乾燥に悩まされることがあります。

これは治療によって皮脂分泌(肌の潤いを保つ油分)が減少するため。

「今までスキンケアなんてほとんどしてこなかった」という方も、急に乾燥を感じることがあるんです。

乾燥した肌にいきなりファンデーションを塗ると、小じわに入り込んでかえって目立ってしまいます。これは避けたいですよね。

私がいつも患者さんにお伝えしているのは「保湿を念入りに、でも優しく」ということ。

メイク前に化粧水→乳液→クリームの順で、十分に保湿しましょう。

化粧水は手のひらで温めてから、優しく押し込むように。特に目元や口元などの乾燥が気になる部位には、保湿美容液を少量重ね塗りすると効果的です。

その上からファンデーションは「こするように塗る」のではなく「押さえるように」塗ることがポイント!こうすることで、小じわにファンデーションが入り込むのを防げます。

パウダーも「ふんわり軽く」のせて、乾燥を強調しないようにしましょう。

「化粧崩れが心配」という方には、メイク直しよりも保湿直しをおすすめします。

小さなミスト化粧水を持ち歩いて、乾燥を感じたらメイクの上からシュッとひと吹き。肌の潤いをキープできますよ。

#### くすみをカバーする色選びと肌トラブル部分対応法

「なんだか顔色が冴えない…」と感じることはありませんか?抗がん剤治療中は血行不良などで肌がくすみやすくなります。

でも大丈夫、ちょっとした工夫でカバーできますよ。

くすみをカバーするには、自分の肌より半トーン(ほんの少し)明るめのファンデーションを選ぶか、イエローベース(黄色味がかった)の下地を使うことがおすすめ。

これだけで血色感がよみがえります。

ただし、明るすぎるとマスク状に見えてしまうので、顔と首の色が極端に違わないように注意してくださいね。

また部分的な肌トラブル、例えば治療の影響による色素沈着(シミのような濃い色の部分)や赤みに対しては、コンシーラー(部分用カバー剤)が強い味方。

小さなブラシで患部だけに少量をのせ、指の腹で周囲とぼかすと自然に仕上がります。

「朝はきれいに仕上がるけど、すぐ崩れる」という声もよく聞きます。メイクの持続力を高めるには、同じ場所に何度も重ね塗りするのではなく、清潔なスポンジで「押さえ塗り」するのがコツです。

最後に、メイクは単なる見た目の問題ではなく、心のケアでもあります。

抗がん剤治療という大変な時期だからこそ、鏡を見たときに「いつもの自分」を感じられることが何よりの元気の源になるんです。

治療は確かに辛いこともありますが、肌トラブルで更に気持ちが下がらないよう、ぜひこれらのテクニックを試してみてくださいね。

あなたらしい笑顔が一番の美しさです!