### 抗がん剤治療中の爪トラブルから身を守るための衛生管理
抗がん剤治療を受けられる皆さん、そしてご家族の方へ。
治療中は体の免疫力が下がってしまうため、普段なら問題ないような小さな傷からも感染症を起こしやすくなります。
特に爪は日常生活で活躍する部分だからこそ、しっかりと守ってあげたいですね。
今日はみなさんの爪を守るための大切なポイントをお伝えします。
### 爪ケア用品の正しい消毒・保管方法
「爪切りって消毒したことない…」という方も多いのではないでしょうか?
実は爪切りやネイルファイルは細菌がつきやすく、治療中はちょっとした菌も危険になることがあります。
【消毒のコツ】
• 使う前に消毒用アルコール(エタノール)で拭いてください
• 特に爪切りの刃の部分は念入りに
• 使った後も同様に消毒しましょう
• 清潔なケースに入れて保管を
ご家族と同じ爪切りを使うのは避けたほうが無難です。もし別々に用意するのが難しければ、使うたびに必ず消毒してくださいね。
アルコールが使えない道具は、石けんで洗って、しっかり乾かすことも効果的です。
### 免疫力低下時に安全に爪ケアを行う環境づくり
「どこで爪を切ればいいの?」そんな疑問にもお答えします。
【安全なケア環境づくり】
• まずは丁寧な手洗いから始めましょう(30秒以上かけて指の間も)
• キッチンやお風呂場は避けて、清潔な場所を選びましょう
• テーブルの上にペーパータオルを敷くと安心です
• 爪は少しずつ、まっすぐに切るのがポイント
• 切った爪のカスはすぐに捨てましょう
「深爪にしないで」とよく言われますが、これには理由があります。
深爪にすると皮膚を傷つけやすく、そこから感染症を起こす危険があるのです。爪は指先を守る大切な鎧だと思って、優しくケアしてあげてくださいね。
### 緊急時の対応と医療機関への適切な相談法
「あっ!指を切ってしまった…」そんな時の対処法も知っておきましょう。
【もしものときの対応】
• 出血したら清潔なガーゼや布で10分程度しっかり押さえる
• 出血が止まらない場合はすぐに担当医に連絡を
• 爪の周りが赤く腫れたり、痛みがあったりしたら我慢せずに相談を
治療中は「こんな小さなことで先生に連絡していいのかな」と迷われる方も多いですが、小さな変化も大事なサインです。
担当の先生は皆さんの体調を一番に考えていますので、気になることはどんどん相談してくださいね。
抗がん剤治療中、爪が黒くなったり、弱くなったりすることがありますが、これは薬の影響で起こる一時的な変化であることが多いです。
適切なケアで感染から守りながら、この時期を乗り越えていきましょう。あなたの治療が順調に進み、元気な日々が戻ってくることを心から願っています。