抗がん剤治療が始まると、脱毛だけでなく、頭皮のピリピリとした痛みや乾燥に悩まされる方が多くいらっしゃいます。
「髪が抜けたらシャンプーは必要ない?」「どのくらいの頻度で洗えばいいの?」と疑問に思う方も少なくありません。
「髪が抜けたらシャンプーは必要ない?」「どのくらいの頻度で洗えばいいの?」と疑問に思う方も少なくありません。
実は、脱毛中であっても頭皮の環境を整えておくことは、治療後の健やかな髪の再生に大きく影響します。今回は、デリケートな頭皮を守りながら清潔を保つための「シャンプーの頻度」と「正しいケアのコツ」を分かりやすく解説します。
1. 抗がん剤治療中のシャンプーの頻度は?
基本は「毎日または1日おき」
抗がん剤治療中や脱毛期のシャンプー頻度は、毎日または1日おきが推奨されます。「髪がなくなったらお湯だけでいいのでは?」と思いがちですが、人間の頭皮は毛髪の有無にかかわらず、顔の2倍以上の皮脂を分泌しています。皮脂汚れを放置すると、毛穴が詰まり、ニオイや湿疹、感染症の原因になってしまいます。
体調や肌質に合わせて柔軟に調整を
抗がん剤の副作用で体がだるいときや、頭皮の乾燥がひどくカサカサしているときは、無理をして毎日洗う必要はありません。
- 体調が優れない日:お湯だけで流す「湯シャン」にする(これだけでも汚れの約7割は落ちます)。
- 乾燥が強いとき:2日に1回のシャンプーにペースを落とす。
ご自身の体調と頭皮の状態を最優先にして、柔軟に調整してください。
2. 敏感な頭皮を守るシャンプー選びのポイント
治療中の頭皮は、バリア機能が低下し非常にデリケートです。普段使っている市販の高級アルコール系シャンプー(洗浄力が強いもの)は、刺激が強すぎて乾燥や痛みを悪化させることがあります。
以下の条件を満たすシャンプーを選びましょう。
- アミノ酸系の洗浄成分:肌と同じ弱酸性で、マイルドに洗い上げます。
- 無添加・低刺激:香料、着色料、アルコール(エタノール)がフリーのもの。
- 泡で出てくるタイプ:脱毛期は髪の毛がないため、手でシャンプーを泡立てるのが難しくなります。最初から泡で出るタイプなら、摩擦を最小限に抑えられます。
※なお、ベビーシャンプーや洗顔ソープは、大人の頭皮の油分に対して洗浄力が足りず、毛穴詰まりを起こすことがあるため、大人用の「敏感肌用シャンプー」がおすすめです。
3. 頭皮を傷つけない!正しい洗い方の5ステップ
脱毛期は、これまでの「髪を洗う」という意識から「顔と同じように頭皮を優しくスキンケアする」という意識に変えることが大切です。
ステップ①:ぬるま湯(38℃前後)で予洗い
熱すぎるお湯は頭皮の水分を奪い、乾燥を招きます。38℃前後のぬるま湯で、頭皮を優しく包み込むようにして全体の汚れを流します。
ステップ②:しっかり泡立てる
シャンプー剤をそのまま頭皮につけるのはNGです。泡立てネットなどを使って、手のひらにこんもりと乗るくらいのきめ細かい泡を作ります(泡タイプならそのまま使用)。
ステップ③:指の腹で「押し洗い」
爪を立ててゴシゴシこするのは絶対に避けてください。
泡を頭皮に優しく押し当て、クッションにするようなイメージで、指の腹を使って頭皮を優しくもむように洗います。治療中の頭皮マッサージは刺激になるため、この時期は控えておきましょう。
泡を頭皮に優しく押し当て、クッションにするようなイメージで、指の腹を使って頭皮を優しくもむように洗います。治療中の頭皮マッサージは刺激になるため、この時期は控えておきましょう。
ステップ④:念入りにすすぐ
シャンプーの成分が頭皮に残ると、かゆみや炎症を引き起こします。シャワーを近づけ、ぬるま湯で時間をかけて完全に洗い流してください。
※脱毛中のリンスやトリートメントは、頭皮に付着して毛穴を詰まらせる原因になるため、基本的には不要です。
※脱毛中のリンスやトリートメントは、頭皮に付着して毛穴を詰まらせる原因になるため、基本的には不要です。
ステップ⑤:タオルで押さえるように拭く
タオルの摩擦も大きな刺激になります。柔らかい清潔なタオルを頭に当て、優しくポンポンと水分を吸収させるように拭き取ります。
4. シャンプーの後に欠かせない「保湿と保護」
洗髪が終わった後の頭皮は、水分が蒸発しやすい無防備な状態です。清潔にした後は、必ずセットで「保湿」を行いましょう。
- 頭皮用の保湿ローションを塗る
アルコールフリーで、低刺激な頭皮用保湿ローションや化粧水を優しくなじませます。特に乾燥しやすい冬場や、エアコンの効いた室内では念入りに行うのが効果的です。 - 外出時は紫外線や摩擦から守る
髪の毛がない状態の頭皮は、直射日光(紫外線)や外気の刺激をダイレクトに受けます。外出する際は、肌当たりの優しい綿(コットン)やシルク素材の医療用ケア帽子、ウィッグを活用して頭皮を保護してください。
まとめ
抗がん剤治療中の頭皮ケアは、「毎日〜1日おきの適切な洗浄」と「徹底的な優しさ(低刺激・摩擦ゼロ)」が基本です。
最初は髪が抜けていく変化に戸惑うかもしれませんが、いま丁寧に頭皮をいたわってあげることは、治療が終わった後に新しく生えてくる髪のための大切な土台作りになります。
吐き気や倦怠感など体調が苦しいときは決して無理をせず、ご自身のペースで、できる範囲のお手入れを続けていきましょう。
















