頭皮冷却(スカルプクーリング)の「成功率(何%)」という数値は掲載されていません(脱毛対策として検討できる、という位置づけの記載はありますが、率の提示はありません)。
そのため、以下は**一般論(臨床研究・実臨床で広く共有されている傾向)**としての説明です。
実際の成功率は、抗がん剤の種類・投与量/間隔・装置・冷却手順・個人差で変わります。
頭皮冷却の「成功率」とは何を指すか
研究での「成功」は多くの場合、次のように定義されます。
- 脱毛が一定以上に進まず、ウィッグが不要(または許容範囲)
- 医療者評価スコアで「重度脱毛に至らない」
- 患者本人が「ウィッグなしで外出できる程度」と感じる
つまり「髪が全く抜けない」ことを成功としているわけではないことが多いです。
成功率の目安(一般論)
1) タキサン系(例:パクリタキセル、ドセタキセル)中心の治療
- 成功率は比較的高めとされ、研究によって幅はありますが、概ね
50〜80%前後で「重度脱毛を回避できた」と報告されることが多い領域です。
2) アンスラサイクリン系(例:ドキソルビシン、エピルビシン)を含む治療(AC/ECなど)
- 成功率は下がりやすい傾向があり、研究によって差が大きいものの、概ね
20〜50%前後程度にとどまる報告が多いです。
(タキサン単独より「効きにくい」ことが多い、という理解が実用的です)
3) タキサン→アンスラサイクリン等の併用・順次投与
- レジメン全体としての成功率は中間〜低めになりやすく、どの薬剤パートで抜けやすいかが影響します。
成功率に影響する要因(重要)
- 薬剤の種類(タキサン系は比較的良い、アンスラサイクリン系は難しい傾向)
- 投与量と投与スケジュール(高用量、3週毎などで厳しくなることがある)
- 冷却の質:頭皮への密着、冷却温度、前後冷却時間、装置の種類
- 毛量・毛質・頭皮形状:密着不良があると効果が落ちやすい
- 途中中断の有無:痛み等で中断すると成功率が下がりやすい
現実的な期待値の持ち方
頭皮冷却は「脱毛を完全にゼロにする」よりも、
- 抜け方を軽くして生活の負担を減らす
- ウィッグが“必須”にならない可能性を上げる
ための方法と考えるのが実用的です。
一般論として「その治療だと成功率が上のどのレンジに入りやすいか」「成功率を左右しやすいポイント」を個人個人より具体的に整理してお伝えできます。















