頭皮冷却(スカルプクーリング)を「脱毛対策として検討できる」との記載はありますが、副作用の具体的な一覧までは明記されていません。
そのため以下は一般論として、医療現場でよく説明される頭皮冷却の副作用・負担(起こりうる不快症状)を整理します。
実施可否や対処は施設手順・個人差で変わるため、実際は化学療法室(看護師)と相談してください。
頭皮冷却の主な副作用(よくあるもの)
1) 冷感・痛み(頭が「痛い」「凍るように感じる」)
最も多い訴えです。開始直後〜最初の10〜15分がつらく、その後慣れる方もいます。
対策
- 事前に鎮痛薬(施設の方針に従う)
- キャップの密着調整(締め付けが強すぎないか確認)
- 途中で一時停止・休憩の相談
2) 頭痛
冷刺激や緊張で起こることがあります。
対策
- 早めにスタッフへ申告
- 鎮痛薬の使用可否を確認
- 水分摂取、首肩の力を抜く工夫
3) 寒気・震え(全身が冷える感じ)
頭皮だけを冷やしていても、体感的に寒くなる方がいます。
対策
- ブランケット、カイロ、温かい飲み物
- 足元保温(靴下・ひざ掛け)
4) めまい・気分不快、吐き気
冷却そのもののストレス、長時間の体位、治療当日の体調(制吐薬や点滴の影響)も重なって起こることがあります。
対策
- 体調が悪い日は無理せず中止も含め相談
- 休憩・体位調整
起こる頻度は低いが注意したいもの
5) 皮膚トラブル(赤み、かゆみ、刺激感)
冷却キャップの接触や湿気で、頭皮が刺激されることがあります。
対策
- 事前に頭皮の傷・湿疹がないか確認
- 異常があれば早めに中止し医療者へ
6) しびれ感(頭皮の感覚が鈍い感じ)
冷刺激による一時的な感覚変化として起こることがあります。多くは時間とともに改善します。
「副作用」以外に知っておくべき負担(デメリット)
- 治療時間が延びる(前後冷却が必要なため)
- 費用が自己負担になりやすい(保険適用外が多い)
- 期待したほど脱毛が減らないことがある(個人差・薬剤差)
すぐにスタッフへ伝えるべき症状
- 痛みが強く我慢できない
- 強い頭痛、気分不快が続く
- 皮膚がただれる、強いかゆみ、じんましん様の発疹
- しびれが強い/長引く
我慢して続けるより、密着調整や中止を含めて安全優先で対応する方が良いです。
受ける予定(または実施中)の抗がん剤名(例:パクリタキセル、ドセタキセル、ACなど)と、頭皮冷却の方式(機械式キャップ/冷却キャップなど)が分かると、起こりやすい不快症状と現実的な対策をもう少し具体化できますよ。















