がん治療中に医療用ウィッグを使用する方にとって、「お手入れ」は快適さと清潔さを保つための大切なセルフケアです。
抗がん剤治療中は頭皮が敏感になりやすく、汗や皮脂の分泌も変化します。
そのため、正しい方法でウィッグをケアすることが、肌トラブル予防にもつながります。
本記事では、一般論をもとに、医療用ウィッグのお手入れ方法をわかりやすくまとめます。
1. お手入れの目的
医療用ウィッグのお手入れには3つの目的があります。
- 清潔保持:汗・皮脂・ほこりなどの汚れ除去
- 形状維持:絡まりや型崩れ防止
- 衛生管理:頭皮トラブル(かゆみ・炎症)予防
毎日使うものだからこそ、「少しずつ丁寧に」がポイントです。
2. 日常のお手入れ(毎日〜数日に一度)
● 使用後はブラッシング
着用後は軽くブラッシングしてホコリや絡まりを取ります。
専用ブラシ(ピン先が丸いタイプ)で毛流れに沿って優しくとかしましょう。強く引っ張ると抜け毛や破損の原因になります。
● 通気性確保
汗ばむ季節は特に蒸れやすいため、使用後はスタンドにかけて陰干しします。ドライヤー高温風は人工毛変形につながるので避けましょう。
● 裏地(ネット部分)のケア
内側には汗や皮脂が付着しています。柔らかい布で軽く拭き取るだけでも十分効果的です。臭いやベタつきを感じたら洗浄タイミングです。
3. 洗浄方法(週1回程度)
【準備】
- ウィッグ専用シャンプーまたは低刺激性ベビーシャンプー
- 洗面器またはボウルにぬるま湯(30℃前後)
【洗い方】
- ブラッシングして絡まりを解消。
- ぬるま湯+専用シャンプーを泡立て、その中へウィッグ全体を沈めます。
- 指先で押すように優しく洗います(揉み洗い禁止)。
- 新しいぬるま湯で泡がなくなるまで数回すすぐ。
- 人毛またはミックス毛の場合のみ薄めたトリートメント液へ数分浸すとツヤ感UP。
【乾燥】
- タオルで水分を“押さえるように”吸収します(絞らない)。
- スタンドまたはマネキン台へセットし自然乾燥。直射日光・ドライヤー高温風は禁止です。
完全乾燥後、軽くブラッシングして整えれば完了です。
4. 素材別ポイント
| 素材 | 特徴 | 注意点 |
|---|---|---|
| 人工毛 | 型崩れしにくく扱いやすい | 熱変形注意(ドライヤー不可) |
| 人毛100% | 自然な質感だがデリケート | 低温ドライヤー可/摩擦注意 |
| ミックス毛 | 両者の長所あり | 中温以上NG/静電気対策必要 |
静電気防止スプレーや専用コンディショナーも有効ですが、必ず「医療用対応」製品を選びましょう。
5. 保管方法
- 使用しない時はスタンドまたは通気性ケースへ保管。
- 高温多湿・直射日光・ほこりの多い場所は避ける。
- 長期間使わない場合でも月1回程度陰干しすると衛生的です。
- 帽子タイプ併用時にはインナーキャップも定期的に洗濯しましょう。
6. 頭皮ケアとの両立
専門家監修情報でも、「脱毛中・脱毛後の頭皮ケア」と「外見サポート」は一体として考えることが推奨されています。
- ウィッグ装着前には頭皮保湿クリームなどで乾燥対策。
- 就寝時には外して休ませることで蒸れ防止&血行促進。
- インナーキャップ利用で摩擦軽減&汗吸収効果アップ。
これらを組み合わせることで快適さが格段に向上します。
7. 買い替え目安
使用頻度にもよりますが、
- 人工毛:約6か月〜1年
- 人毛/ミックス:約1〜2年
ツヤ減少・抜け落ち・型崩れなど劣化サインが出たら買い替え検討時期です。また自治体によって助成制度もあるため確認しておきましょう。
8. 心への効果
お手入れ時間そのものが「自分自身へのいたわり」の時間になります。「今日も頑張った」「明日はもう少し整えてみよう」と思える小さな習慣こそ、治療生活を支える力になります。お気に入りの香り付きスタンド袋など、自分なりの工夫も楽しんでください。
まとめ
医療用ウィッグのお手入れでは、
✔ 優しく洗う ✔ 自然乾燥 ✔ 清潔保持
この3点が基本です。そして何より、“無理せず続けられる方法”こそ最良のお手入れ法です。
一日一日の積み重ねによって、あなた自身もウィッグも健やかさを取り戻していきます。















