脱毛中・脱毛後の頭皮ケアや清潔保持には「ウィッグを使用する際は頭皮と製品の両方を清潔に保つことが大切」とされています。
また、一般論としても医療用ウィッグは毎日使うものだからこそ、「正しいお手入れ」が快適さと耐久性を左右します。
以下では、その内容を踏まえて整理します。
1. 基本的な考え方
ウィッグのお手入れの目的は、
- 清潔を保ち、臭いや皮脂汚れを防ぐ
- 型崩れや絡まりを防止し、自然な見た目を維持する
- 頭皮トラブル(かゆみ・かぶれ)を予防する
ことです。
抗がん剤治療中は皮膚が敏感になりやすいため、「刺激の少ない洗浄」「十分な乾燥」「優しいブラッシング」を心がけましょう。
2. 日常のお手入れ(毎日〜数日に一度)
● 使用後のケア
- 着用後は軽くブラッシングしてホコリや絡まりを取る。
※専用ブラシ(ピン先が丸いタイプ)がおすすめ。 - 汗や湿気がある場合は風通しの良い場所で陰干し。
- スタンドにかけて形崩れ防止。
● 頭皮側(裏地)のケア
内側ネット部分に汗や皮脂が残るとニオイや菌繁殖の原因になります。柔らかい布で軽く拭き取りましょう。
3. 洗浄方法(週1回程度)
【準備】
- ウィッグ専用シャンプーまたは低刺激性ベビーシャンプー
- 洗面器またはボウルにぬるま湯(30℃前後)
【手順】
- ブラッシング:絡まりを取ってから洗う。
- 洗浄液作成:ぬるま湯に専用シャンプー少量を溶かす。
- 押し洗い:ウィッグ全体を沈め、指先で軽く押すように洗う(揉まない)。
- すすぎ:新しいぬるま湯で泡がなくなるまで優しくすすぐ。
- コンディショナー仕上げ:人毛・ミックス毛の場合のみ薄めたトリートメント液に数分浸すとツヤ感UP。
4. 乾燥方法
- タオルで水分を“押さえるように”吸収(絞らない)。
- スタンドまたはマネキン台にセットして自然乾燥。直射日光・ドライヤー高温風は禁止です。人工毛の場合、高熱で変形します。
- 完全乾燥後、軽くブラッシングして整える。
5. 保管方法
- 使用しない時はスタンドまたは通気性ケースへ保管。
- 高温多湿・直射日光・ほこりの多い場所は避ける。
- 長期間使わない場合でも月1回程度陰干しすると衛生的です。
6. 素材別ポイント
| 素材 | 注意点 |
|---|---|
| 人工毛 | 熱変形注意(ドライヤー不可)。静電気対策として専用スプレー使用可。 |
| 人毛100% | 自然乾燥推奨だが低温ドライヤー可。ヘアアイロン使用時も低温設定必須。 |
| ミックス毛 | 両者の特徴あり、中温以上禁止・摩擦注意。 |
7. 頭皮ケアとの併用
専門家監修情報にもあるように、「脱毛中・脱毛後」は頭皮もデリケートです。
- ウィッグ装着前には清潔な状態で保湿クリームなど塗布可。
- 帽子インナーキャップ併用で摩擦軽減&汗吸収効果あり。
- 就寝時は外して休ませることで蒸れ防止になります。
8. 買い替え目安
使用頻度にもよりますが、
- 人工毛:約6か月〜1年
- 人毛/ミックス:約1〜2年
型崩れや抜け落ち、ツヤ減少など劣化サインが出たら買い替え検討しましょう。
まとめ
医療用ウィッグのお手入れでは、
「優しく洗う」「自然乾燥」「清潔保持」
この3つが基本です。
毎日の小さなケア習慣によって快適さと寿命が大きく変わります。
そして何より、自分自身の頭皮と心身への思いやりとして、“無理せず続けられるお手入れ”こそ最良のセルフケアです。















