抗がん剤治療中は、薬の影響で皮脂や汗の分泌量が減り、肌のバリア機能が低下して乾燥しやすくなることがあります。

「顔だけでなく体全体がカサカサする」「かゆみや粉ふきが気になる」などのお悩みは多くの方に共通しています。

ここでは一般的な情報をもとに、抗がん剤治療中でも安心して使える保湿ケアのポイントとおすすめアイテム選びについてご紹介します。


1. 保湿ケアの基本

■ タイミング

  • 入浴・洗顔後10分以内に保湿を行うことで、水分蒸発を防げます。
  • 朝晩2回、「乾燥する前に塗る」意識でこまめなケアを。

■ 塗り方

  • 強くこすらず、“手のひらで包み込むように”優しく伸ばします。
  • 乾燥しやすい頬・口周り・手足は重ね塗りがおすすめです。

2. 保湿剤選びのポイント

【A】刺激成分を避ける

  • 無香料・無着色・アルコールフリー製品を選びましょう。
  • 「敏感肌用」「低刺激性」と明記されたものがおすすめです。

【B】部位別に使い分け

部位 おすすめタイプ
化粧水+乳液 or 保湿クリーム(セラミド配合)
手足 ワセリン系軟膏 or ボディクリーム
頭皮 アルコールフリー保湿ローション/ジェル
リップクリーム(UVカット付きなら尚良し)

3. 成分で選ぶおすすめ保湿アイテム

■ セラミド配合

皮膚バリア機能強化&水分保持力アップ。敏感肌にも◎。
→ 例:キュレル、セラミエイドなど

■ ヒアルロン酸/グリセリン/尿素(低濃度)

高い保湿力でしっとり感持続。ただし尿素高濃度製品は刺激になる場合あり注意。

■ ワセリン系(白色ワセリン/プロペト)

シンプル処方で刺激少なく、乾燥部位集中ケア向き。
→ 顔・唇・手足どこでも使用可。

■ シリコンオイル系ジェル

ベタつき少なく頭皮にも使いやすいタイプあり。帽子やウィッグ装着時も快適です。


4. 季節別ポイント

  • 冬場:加湿器併用で室内湿度40〜60%維持。入浴後即保湿!
  • 夏場:冷房による乾燥対策として軽めジェルタイプ活用。紫外線ダメージ予防も忘れずに!

5. よくある質問Q&A

Q:ボディオイルでもいい?
A:OKですが、香料入り製品は避けましょう。天然由来でも刺激になることがあります。

Q:市販薬局品と病院処方どちらがいい?
A:軽度乾燥なら市販敏感肌用で十分ですが、ひび割れや炎症ある場合は医師相談しヘパリン類似物質含有ローション等処方してもらうと安心です。

Q:顔と体同じクリーム使っていい?
A:問題ありません。ただし顔には油分控えめタイプ推奨です。


6. 肌荒れ時の注意点

赤み・ヒリヒリ感ある日は新しい化粧品使用控えましょう。

「いつもの製品でも染みる」と感じたら一旦中止し、ワセリンなど最小限成分のみ使用してください。

不安あれば主治医または看護師へ相談しましょう。


【まとめ】

抗がん剤治療中の保湿ケアでは、「低刺激」「こまめ」「優しく」が基本。

“清潔”“潤い”“紫外線から守る”この3本柱を意識するだけで快適さは大きく変わります。

不安点あれば病院内アピアランス支援センターへ遠慮なく相談してください。

“あなた自身”だからこそ似合う笑顔、その土台となる健やかな肌づくりから始めていきましょう!