### 抗がん剤治療中の肌を優しく包むベースメイクの選び方
抗がん剤治療を始めると、お肌はいつもと違う反応を示すことがあります。
でも大丈夫。治療中でも自分らしく過ごすためのメイクのコツをお伝えします。
この記事を読めば、お肌の変化に戸惑うことなく、自信を持って毎日を送るためのヒントが見つかりますよ。
### お肌の変化を理解して製品選びを考える
抗がん剤治療が始まると、多くの方のお肌は敏感になり、乾燥しやすくなります。
中には「今までのファンデーションが合わなくなった」「肌がピリピリする」といった悩みを抱える方も。
この時期は「低刺激」「保湿重視」がキーワードです。
製品選びのポイントは:
– 「無香料」「無鉱物油」「パラベンフリー」と表示されているもの
– 「敏感肌用」や「アレルギーテスト済み」の表示があるもの
– 「ノンコメドジェニック」(毛穴詰まりを起こしにくい)と書かれたもの
成分表示は最初に書かれている順に配合量が多いので、上位に「グリセリン」「ヒアルロン酸」「セラミド」などの保湿成分があるものを選ぶと安心です。
迷ったときのアドバイス:
「治療開始前に、お気に入りの化粧品を少量ずつ肘の内側に塗って24時間様子を見る『パッチテスト』をしてみるといいですよ。
赤みやかゆみが出なければ、比較的安全に使える可能性が高いです」
### 優しい使い方と順序で肌への負担を減らす
ベースメイクの理想的な順序は:
1. 化粧水(コットンではなく手で優しく)
2. 保湿クリーム(たっぷりと)
3. 日焼け止め(SPF30程度の低刺激タイプ)
4. 化粧下地(保湿タイプ)
5. ファンデーション
治療中のお肌には特別な配慮を。各ステップの間に1〜2分待って、お肌が落ち着いてから次に進むことで、刺激を最小限に抑えられます。
実践テクニック:
「ファンデーションは5円玉大程度を手の甲で少し温めてから、指の腹で肌に押し込むようにやさしく塗ります。
こうすると少ない量でもカバー力が高まり、肌への負担も減ります。スポンジやブラシは清潔に保てる自信がなければ、使わない方が安全です」
### 肌状態に合わせた製品選びとメイクの持続法
治療中は日によって肌状態が変わることがあります。その日の状態に合わせて、製品を選び分けるといいでしょう。
乾燥が気になる日は:
– オイル入りの下地
– クリームやリキッドタイプのファンデーション
– 部分的に乾燥が気になる箇所には、メイクの上から保湿スプレーを
むくみや油分が気になる日は:
– さらっとしたジェルタイプの下地
– パウダリーなファンデーション
– Tゾーンだけ押さえるようにパウダーを
治療中のお役立ちグッズ:
「フィックスミスト」(メイク固定用の化粧水)があると便利です。これは一般的な化粧水ではなく、メイクを長持ちさせる専用アイテムです。
病院での長い待ち時間や、マスクによるメイク崩れが気になるときに、軽く吹きかけるだけでメイクが長持ちします。
抗がん剤治療中のメイクは、見た目だけでなく心の支えにもなります。
「今日もいつも通りの自分でいられる」という安心感は、治療を乗り越える大きな力になるんですよ。
ご家族の方も、この記事を参考に、患者さんが自分らしさを保てるようサポートしてあげてくださいね。