抗がん剤治療が終わると、多くの方が「髪はいつから生えてくる?」「どんなケアをすればいい?」と気になります。
脱毛は大きなストレスですが、多くの場合、治療終了から2〜3か月で新しい髪が生え始め、半年〜1年ほどで元の状態に近づいていきます。
ただし、生えてきたばかりの髪は細く柔らかいため、適切なケアで守ってあげることが大切です。
ここでは、「治療後の髪のケア」についてまとめました。
1. 髪の再生サイクル
- 発毛開始:治療終了から約2〜3か月後
- 産毛期:最初は細く柔らかい産毛状
- 回復期:半年〜1年で徐々に太さ・量ともに戻っていきます
- 個人差あり:薬剤種類や体質によって回復スピードは異なります
2. シャンプー・洗浄方法
- 低刺激シャンプー使用
無香料・弱酸性・アルコールフリーなど敏感肌用がおすすめです。 - 泡立てて優しく洗う
爪を立てず指の腹でマッサージするように。ゴシゴシ摩擦はNGです。 - 頻度は毎日必須ではない
汗や汚れが気になる時のみでもOK。体調優先で無理せず行いましょう。
3. ドライ&スタイリング
- タオルドライは押さえるように水分吸収(こすらない)。
- ドライヤー使用時は冷風または弱風推奨。熱風直当ては乾燥・ダメージ原因になります。
- 生え始めたばかりの髪には整髪料や強力ワックス使用を控えましょう。
4. 保湿と頭皮ケア
- 頭皮乾燥予防として敏感肌用ローションや保湿ジェルを薄く塗布すると快適です(アルコールフリー推奨)。
- 紫外線対策も重要!帽子や医療用ウィッグ活用で頭皮保護しましょう。
5. カラーリング・パーマ再開時期
- 新しい髪はデリケートなので、カラーやパーマ再開時期については必ず主治医へ相談してください。
- 一般的には十分な発毛確認後(半年以降)がおすすめです。
6. 食事・生活習慣
- バランス良い食事(タンパク質・ビタミンB群・亜鉛など)摂取で健康な発毛環境をサポートします。
- 睡眠不足やストレスも発毛遅延につながるため、規則正しい生活リズムを意識しましょう。
7. ウィッグとの付き合い方
- 発毛初期でも外出時にはウィッグ併用可能。「今日は帽子だけ」「短時間なら地毛」と少しずつ移行していけば安心です。
- 自然な伸び具合に合わせてウィッグサイズ調整やカット調整サービス利用もおすすめです。
【まとめ】
抗がん剤終了後の髪は必ずしも以前と同じスピード・質感では戻りません。
しかし、多くの場合数か月単位で自然回復します。
その間、「低刺激シャンプー」「優しいドライ」「頭皮保湿」「紫外線対策」の4点を基本として丁寧にケアしましょう。
不安点あれば主治医や病院内アピアランス支援窓口へ遠慮なく相談してください。“焦らずゆっくり育む”ことこそ最大のヘアケアです