抗がん剤治療中や脱毛期、または髪が生え始めた時期には「頭皮をどう洗えばいいの?」「シャンプーは使っていい?」と悩む方が多くいます。

薬の影響で頭皮は乾燥しやすく、赤みやかゆみなどトラブルも起こりやすいため、“優しく清潔に保つ”ことが大切です。

ここでは、一般的な医学的知見をもとに、安全で快適な頭皮の洗い方をご紹介します。


1. 頭皮ケアの基本姿勢

  • ゴシゴシ洗わない:摩擦は炎症・かゆみ悪化につながります。
  • 低刺激アイテム使用:弱酸性・無香料・アルコールフリーのシャンプーやボディソープがおすすめ。
  • 毎日または1日おき:汗や皮脂汚れを落として感染予防。ただし乾燥強い場合は2日に1回でも可。

2. 洗い方ステップ

Step1:準備

  • 爪を立てず指の腹で触れる意識を持ちましょう。
  • シャンプー前にぬるま湯(36〜38℃)で軽くすすぎ、表面汚れを流します。

Step2:泡立て

  • シャンプーは手のひらでよく泡立ててから頭皮へ乗せます。
  • 泡クッションで包むようにして洗うイメージです。

Step3:優しくマッサージ

  • 指の腹で円を描くように軽くマッサージしながら全体になじませます。
  • 痛みやヒリつきある部分は避けても構いません。

Step4:すすぎ

  • 泡残りはかゆみ原因になるため十分にすすぎましょう。
  • シャワー圧強すぎないよう注意してください。

Step5:乾燥対策

  • タオルドライは押さえるように水分吸収(擦らない)。
  • ドライヤー使用時は冷風または弱温風で短時間仕上げ → 熱ダメージ防止になります。

3. 髪が抜けている時期の工夫

  • 髪がほとんどない場合、顔用洗浄料やボディソープでも代用可能です(弱酸性タイプ推奨)。
  • 洗うこと自体より「清潔+保湿」が重要なので、無理せず続けられる方法を選びましょう。

4. 保湿ケアとのセット習慣

洗った後そのままだと乾燥悪化 → フケ様症状・かゆみに直結しますので、必ず低刺激ローションやワセリン系軟膏などで保湿しましょう。「入浴後5分以内」が効果的です。


5. 注意点

以下の場合には自己判断せず主治医へ相談してください:

  • 赤み・腫れ・ジュクジュクした浸出液あり
  • 強い痛み伴う場合
    → 感染症(蜂窩織炎など)の可能性があります。この場合医療的対応が必要です。

【まとめ】
抗がん剤治療中・治療後の頭皮洗浄では「低刺激」「泡で優しく」「十分すすぐ」「擦らない」の4原則が大切です。

そして最後には必ず保湿。不安点あれば主治医や看護師、美容スタッフへ遠慮なく相談してください。

“丁寧なセルフケア”こそ健やかな発毛環境づくりにつながります✨