抗がん剤治療は、がん細胞だけでなく正常な細胞にも影響を与えるため、さまざまな副作用(脱毛、吐き気、食欲低下、口内炎、皮膚・爪トラブルなど)が現れることがあります。
「治療に耐えるだけで精一杯」「何もできない」と感じてしまう方も少なくありません。
しかし、小さな工夫や日々のセルフケアによって、不快症状を和らげたり生活の質(QOL)を保つことは十分可能です。
本記事では一般的な対策例をもとに、「抗がん剤治療中のセルフケア」について詳しくご紹介します。
1. 食事・栄養管理――“無理せず”が基本
抗がん剤治療中は味覚障害や吐き気、口内炎などで「食べたくても食べられない」ことがあります。
そんな時は「しっかり食べなければ」と自分を追い込まず、“今ならこれなら口にできそう”というものから少しずつ摂取しましょう。
- 冷たいもの・酸味のあるもの:酢の物や果物、ゼリーなどは比較的食べやすい傾向です。
- 柔らかい食品:お粥やスープ類、お豆腐など喉越し良いものがおすすめ。
- 水分補給:脱水予防にこまめな水分摂取も忘れずに。スポーツドリンクや経口補水液もうまく活用してください。
- 間食スタイル:一度にたくさんではなく、小分け&間食スタイルでもOKです。
体重減少や栄養バランスが心配になった場合は早めに主治医または管理栄養士へ相談しましょう。
2. 休養と適度な運動――“自分ペース”で
疲れやすい時期には無理せず十分な休息を取りましょう。
一方で体調が良い日はウォーキングなど軽い運動で筋力維持や気分転換も大切です。
外出できない場合でも室内ストレッチや深呼吸だけでもリフレッシュ効果があります。
「今日はここまで」と区切りながら、自分自身のペースで過ごしてください。
3. 皮膚・爪・髪のケア――“見た目”も大切なQOL
【A】肌ケア
乾燥予防には保湿クリームやローションを朝晩しっかり塗りましょう。
洗顔・入浴時は泡立てネット等でよく泡立て、“泡”で包むよう優しく洗います。
紫外線対策として帽子・日傘・長袖衣類+SPF値控えめの日焼け止めクリーム活用もおすすめです。
【B】爪ケア
爪は短く整え、割れ防止にネイルオイル等活用しましょう。
水仕事時にはゴム手袋利用、市販指サック併用も有効です。強い痛み・腫れ等異常時には早め受診!
【C】脱毛対策
ウィッグ(医療用かつら)や帽子利用も検討できます。最近では助成金制度対応商品も増えているので情報収集してみてください。
不安点あれば病院内アピアランス支援窓口へ相談しましょう。
4. 口腔ケア――“小さなお手入れ”が大きな違い
柔らかめ歯ブラシと低刺激歯磨き粉使用がおすすめです。うがいや口腔保湿ジェル活用で口内炎予防につながります。
「痛みで磨けない…」という場合でも、水だけうがいやガーゼ拭き取りだけでもOK。“できる範囲”を続けることが大切です。
5. 感染症予防――“基本の徹底”
免疫力低下時期には感染症リスク増加します。手洗い・うがい徹底、人混み回避など基本的感染対策継続しましょう。
また発熱や咳など異常時には自己判断せず早め医師へ連絡してください。
6. 心身サポート――“ひとりじゃない”
不安や悩みは一人で抱え込まず家族や医療スタッフへ相談しましょう。
「こんなの聞いていい?」と思わず遠慮なく伝えてください。
また必要ならカウンセリング利用、患者会参加(オンライン含む)もうまく活用すると安心感につながります。
同じ経験者同士だからこそ共有できるリアルな声も励みになりますよ。
7. セルフケアQ&A
Q:「どうしてもしんどい日は?」
A:無理せず休む勇気も大切。“今日はこれしかできなかった”“明日はもう少し頑張ろう”そんな小さな積み重ねこそ重要です!
Q:「家族として何かできる?」
A:“頑張って!”より“今日はどうだった?”と寄り添う姿勢がおすすめ。本音トーク&協力体制づくり意識してみてください。
Q:「困った時どこへ相談?」
A:主治医/看護師/薬剤師/病院内各種窓口(栄養士・心理士等)いつでも頼ってOK!がん相談支援センターの利用例もあります。
【まとめ】
抗がん剤治療中でも、自分自身でできる小さな工夫=セルフケアによって快適さと安心感につながります。
不安点あればいつでもご質問ください。一人ひとり違う悩みに寄り添ったサポート体制がありますので、ご不明点あれば遠慮なくご相談ください!