### 抗がん剤治療中でも輝ける特別な日のメイクアップ
こんにちは。私が長年理容福祉の現場で見てきたのは、抗がん剤治療中であっても「特別な日には自分らしく輝きたい」という、みなさんの心からの願いです。
結婚式やお子さんの卒業式など、大切な行事に自信を持って参加するためのメイクの工夫をご紹介します。
アピアランスケア(見た目の変化に対するケアのこと)の視点から、特別な日を心から楽しむためのヒントをお伝えしますね。
### 治療中でも美しく—安心して臨むための事前準備
抗がん剤治療中は、お肌が敏感になったり、思わぬ変化が起きたりするものです。
特別な日の1週間前から保湿ケアを念入りに行いましょう。
セラミド配合の低刺激クリームを朝晩優しく塗り、お肌のバリア機能を高めておくことがポイントです。
治療の影響で眉毛や睫毛が薄くなっていることもあるかもしれませんね。
そんな時は、自然なつけ眉毛や付けまつげを事前に用意しておくと安心です。
「初めて使うものは当日使わない」というのが鉄則!事前に試してみて、自分に合ったものを見つけておきましょう。
「リハーサルメイクで当日の緊張が減った」というお声もよくいただきます。
お気に入りの写真を参考に、鏡の前で何度か練習してみてくださいね。ご家族やお友達に見てもらうと、客観的なアドバイスがもらえて心強いですよ。
### 長時間キープ!疲れ知らずのベースメイクテクニック
特別な日のメイクは、何といっても「持ち」が大切です。まず下地選びから始めましょう。
油分の少ないプライマーが、治療中のお肌にも優しくフィットします。
ファンデーションは「一度にたくさん」ではなく「薄く何層も」が成功の秘訣。
少量を指先やスポンジに取り、顔の中心から外側へ向かって優しく伸ばしていきます。
気になる部分だけに重ね塗りすれば、厚塗り感なく自然にカバーできますよ。
仕上げに透明なフェイスパウダーを軽くはたけば、化粧崩れ防止になります。
治療中は汗をかきやすいこともあるので、あぶらとり紙と少量のパウダーをポーチに忍ばせておくと安心です。
「こまめな小さなお直し」が、1日中きれいをキープする秘訣なんですよ。
### 目元・口元で印象アップ!簡単だけど効果的なポイントメイク
目元と口元を少し強調するだけで、お顔全体の印象がぐっと明るくなります。
眉毛が薄い場合は、眉用のステンシルシート(型紙のようなもの)を活用してみてください。初めての方でも失敗なく自然な眉が描けますよ。
色選びのコツは、ご自身の髪やウィッグより一段明るい色を選ぶこと。そうすると不思議と自然に見えるんです。
目元の印象を強めたいなら、アイラインはまつげの生え際に沿って細く入れるだけで十分。
マスカラは根元からしっかりつければ、パッチリとした目元になります。付けまつげに抵抗がある方は、部分用のものから試してみるのもおすすめです。
リップは保湿力のある口紅を選びましょう。輪郭をぼかすように塗ると、唇の荒れが目立ちにくくなります。
チークは笑った時に高くなる頬の部分に、ふんわりと入れるだけで、お顔全体に健康的な輝きが生まれますよ。
アピアランスケアの本当の魅力は、「見た目を整えることで心も元気になる」ということ。
抗がん剤治療という大変な時期だからこそ、特別な日は思い切り自分らしく過ごしてほしいと心から願っています。
あなたらしい輝きを引き出すメイクで、大切な思い出をもっと素敵なものにしてくださいね。