### 抗がん剤治療中の肌変化に寄り添うファンデーション活用法

抗がん剤治療中は、お肌の様子が変わることがよくあります。色味が変わったり、乾燥が気になったり…。

でも大丈夫。適切なファンデーションの使い方で、そんな変化にも対応できます。実践的なテクニックをお伝えします。

### 「私の肌、変わってきた?」肌色変化の見極め方と対応テクニック

抗がん剤治療を始めると、肌が黄色みを帯びたり、くすんだりすることがよくあります。

まずは鏡の前で自然光を使って、ご自身の肌の変化を優しく観察してみましょう。

「最近、顔色が悪いねって言われるんだけど…」と心配されるかもしれませんね。

くすみが気になる場合は、ほんのり明るめのファンデーションを選ぶと、パッと明るい印象になりますよ。

ただし明るすぎると不自然になるので、今のあなたの肌より1トーン明るい程度がおすすめです。

肌色変化への対応で私が多くの患者さんに教えているのが、複数のファンデーションを混ぜる「調合」です。

例えば、黄色みが強くなった肌には、ピンク系のファンデーションを少し加えると、血色感のある自然な肌色に近づけられます。

黄色みのあるベージュと、ピンクベージュを1:3の割合で混ぜてみてください。

この調合は手の甲で試して、あなたの顔に合う色を見つけてくださいね。

「本当の自分の肌色がわからなくなった」と涙ぐむ方も多いのですが、ご家族や友人に相談しながら、少しずつ調整していくのがコツです。

「いつもと違う」と感じるのは、あなただけじゃありません。一緒に乗り越えていきましょう。

### 「気になる部分をさりげなく隠したい」カバー力を高める重ね塗りの秘訣

治療中は色素沈着やクマが目立つことも。そんな時はカバー力を高める方法があります。

まず、肌の赤みやシミが気になる部分には、グリーン系(赤みを抑える)やイエロー系(青クマを目立たなくする)のコントロールカラーを薄く塗ります。

このコントロールカラーは、肌の気になる色を打ち消す効果がある化粧下地のようなものです。

その後、清潔なスポンジにファンデーションを少量取り、ポンポンとやさしく押さえるように塗ると、厚塗り感なくカバーできます。

「厚化粧に見られたくない」という声をよく聞きますが、この方法なら自然な仕上がりになりますよ。

特に気になる部分は「重ね塗り」がポイント。

一度にたくさん塗るのではなく、薄く2〜3回重ねることで、「化粧してる感」を出さずにカバーできます。

スポンジの角を使って、ピンポイントでカバーするのも効果的です。

40代の女性は、「シミが目立つから人に会いたくない」と引きこもりがちでしたが、このテクニックを覚えてからは「外出が楽しくなった」と笑顔で教えてくれました。

あなたも試してみてくださいね。

### 「肌が変わってきたかも…」肌質変化に合わせた製品選びとケア

抗がん剤治療中は、肌の質感も大きく変わります。

特に乾燥しやすくなるため、「保湿成分配合」や「うるおい」といった言葉が入ったファンデーションを選ぶといいでしょう。

ヒアルロン酸やセラミドなどの保湿成分が含まれているものがおすすめです。

「今まで使っていたパウダーファンデが粉っぽく見える…」と感じたら、リキッドタイプやクリームタイプに切り替えてみましょう

。乾燥した肌にはしっとりタイプが優しく馴染みます。

崩れやすくなった肌には、保湿下地をしっかり使うことが大切です。

下地を塗ったあと、ファンデーションを塗る前に3〜5分ほど時間を空けると、下地が肌になじんでファンデーションがより密着します。

「朝塗ったメイクが夕方には消えてる」という悩みの解決にもなりますよ。

季節や治療段階によって肌質は変化します。夏は思いがけず皮脂分泌が増えることもあるので、

そんな時は半マットタイプのファンデーションを。

冬や特に乾燥が強い時期には、しっとりタイプや美容液成分が入ったタイプを選ぶなど、柔軟に対応してみてください。

60代の男性患者さんは、「男だからメイクなんて…」と最初は戸惑っていましたが、肌の赤みが気になるときだけ軽くファンデーションをつけるようになり、「孫と写真を撮るのが楽しみになった」と喜んでいました。

アピアランスケアは、抗がん剤治療を乗り越える大切な力になります。

ファンデーション一つで気分が上がることもありますよね。

完璧を目指すのではなく、「今日はこれでいい」と思える範囲で、ご自分のペースで楽しんでください。

あなたらしく過ごすお手伝いができれば嬉しいです。