抗がん剤治療の脱毛が心配な方へ:頭皮冷却(スカルプクーリング)を知っておきたい

抗がん剤治療を前にして、多くの方が強い不安を感じる副作用の一つが「脱毛」です。

見た目の変化は、気持ちの落ち込みや外出のしづらさ、仕事や学校生活への影響にもつながりやすく、「できることがあるなら知りたい」と思うのは自然なことです。

そこで近年、選択肢として知られるようになってきたのが「頭皮冷却(スカルプクーリング)」です。

頭皮冷却とは何をする方法?

頭皮冷却とは、抗がん剤の点滴中(施設によっては点滴前後も含む)に、キャップを頭に装着して頭皮を冷やし、抗がん剤による脱毛を抑えることを目的とした方法です。

脱毛を抑えるために頭皮冷却装置を使用している施設があることが示されています。

ここで大切なのは、「脱毛をゼロにする」ための方法ではなく、脱毛の程度を軽くする可能性を期待する対策だという点です。

「脱毛を防ぐ確実な方法はない」と明記されています。

どうして冷やすと脱毛が減るの?

一般論としては、頭皮を冷やすことで頭皮の血管が収縮し血流が低下し、毛根(毛包)へ届く抗がん剤の量が一時的に減ることが、脱毛抑制に関係すると説明されます。

また、低温により毛根の細胞活動が抑えられ、抗がん剤の影響を受けにくくなる可能性も指摘されています。

ただし、効果の出方は一様ではありません。使用する抗がん剤の種類・量・治療スケジュール、髪質や毛量、冷却の条件(温度、装着のフィット感、時間)などによって結果が変わり、個人差が大きいのが現実です。

実際の流れは?

一般論として、頭皮冷却は次のように行われることが多いです。

  • 点滴の前に冷却キャップを装着し、頭皮を十分に冷やす
  • 抗がん剤投与中も冷却を継続する
  • 点滴終了後も一定時間、冷却を続ける(施設の手順による)

装置を使うタイプ、冷却キャップを交換して使うタイプなど運用はさまざまです。

興味がある場合は「その病院で実施できるか」「自分の治療レジメンで適応になるか」を、主治医・看護師に早めに確認するのがポイントです。

つらさ・注意点は?

頭皮冷却は「冷やす」治療なので、寒さや頭痛、頭皮の痛み、締め付け感などを感じる方もいます。

特に開始直後がつらいことがあります。体調が悪い日や、冷えが苦手な体質の方は負担になり得ます。

また、効果が不確実である以上、期待値の調整も大切です。

「やれば必ず髪が守れる」というものではないため、頭皮冷却を行う場合でも、ウィッグ・帽子・スカーフなどの準備を並行して進めておくと安心です。

費用と保険の扱い

頭皮冷却装置は**公的医療保険の適用外**とされています。

つまり、施設によっては自己負担が発生し、料金体系も異なります。

導入施設でも「誰でも実施できる」とは限らないため、費用・回数・キャンセル規定なども含めて事前確認が重要です。

まとめ:選ぶ価値がある人、まず相談したい人

頭皮冷却は、抗がん剤による脱毛の「確実な予防」ではありません。

しかし、脱毛の程度が軽くなる可能性があり、外見の変化に対する不安を少しでも減らしたい方にとっては検討する価値があります。

一方で、寒さなどの負担、費用(保険外の可能性)、効果の個人差もあるため、「自分の治療内容で可能か」「どれくらい現実的か」を医療チームと一緒に整理しながら選ぶのが最も安全で納得感の高い進め方です。