がん治療中や治療後の肌は、薬の影響で乾燥しやすく、刺激にも敏感になっています。

そのため、**「低刺激・保湿重視・シンプル処方」**の化粧品を選ぶことが基本です。

「無添加」「敏感肌用」といった表示にこだわりすぎず、自分の肌に合うものを見つけることが大切とされています。

以下に、安全で使いやすい化粧品選びのポイントを整理します。


1. スキンケア製品(洗顔・保湿)

● 洗顔料

  • 中性または弱酸性タイプ
  • 泡立てて手で優しく洗えるフォームタイプがおすすめ。
  • アルコールや香料入りは避けましょう。

例:敏感肌用無香料洗顔フォーム、ベビー用ソープなど。

● 化粧水・乳液

  • アルコールフリー・防腐剤少なめ
  • 保湿成分としてセラミド・ヒアルロン酸・グリセリン配合タイプが◎
  • 「さっぱり」より「しっとり」タイプを選ぶと乾燥予防になります。

● 保湿クリーム

  • ワセリンやシアバターなど油分多めで皮膚保護効果あり。
  • 顔だけでなく首や手足にも使用可。

2. ベースメイク(下地・ファンデーション)

抗がん剤治療中は皮膚バリア機能が低下しているため、「軽いつけ心地」で「石けんオフ可能」な製品がおすすめです。

アイテム 選び方
下地 紫外線吸収剤不使用(ノンケミカル)SPF20〜30程度
ファンデーション リキッドまたはクリームタイプ/無香料/保湿成分入り
コンシーラー 部分補正用に少量使用/厚塗りしない

パウダーのみだと粉浮きしやすいため、乾燥肌には不向きです。


3. メイクアップ用品

● チーク

血色感を出す目的なので、自然なピンク系またはコーラル系を少量。
→ パウダーよりもクリームチークのほうが密着度高く乾燥しにくいです。

● アイブロウ

眉毛脱落時にはペンシル+パウダー併用がおすすめ。
ウォータープルーフでもアルコールフリー製品を選びましょう。

● アイシャドウ&アイライン

目元皮膚は特に薄いため、

  • 無香料・鉱物油フリー
  • 柔らかいブラウン系カラー中心
    強い発色より“自然な陰影”重視でOKです。

● リップ

唇も乾燥しやすいため、

  1. 無香料リップクリームで保湿 →
  2. ナチュラルカラーグロスまたはティント少量重ね

強い発色より潤い重視。「ほんのり血色」が理想的です。


4. 日焼け止め

紫外線対策も重要ですが、刺激にならない範囲で行います。

  • 紫外線吸収剤不使用(ノンケミカル)
  • SPF20〜30程度の日常使いレベルで十分。
    屋外活動時には帽子や日傘との併用がおすすめです。

5. ネイルケア用品

爪トラブル対策として、

  • ノンアセトン除光液(刺激軽減)
  • 肌色ベージュ系マニキュア+マットトップコート

これらなら自然かつ安全にカバーできます。


6. 注意点 ― 「高価=良質」と限らない

専門家監修情報でも、「値段ではなく自分の肌との相性」が最も大切とされています。高級ブランドよりもドラッグストアなどで購入できる敏感肌シリーズでも十分対応可能です。また、新しい化粧品を試す際は腕内側などでパッチテストを行ってから使用しましょう。


【まとめ】

治療中・治療後の化粧品選びでは、

✅ 無香料・アルコールフリーなど低刺激処方
✅ 保湿力重視(セラミド・ワセリン配合)
✅ 石けんオフ可能な軽いつけ心地

この3点が基本です。そして何より、「安心して毎日使えること」が最優先。

あなた自身の肌状態と気持ちに寄り添うアイテムこそ、本当に“良い化粧品”と言えます。

引用