乳がんの手術を受けたあと、多くの方が感じる戸惑いのひとつが「下着選び」です。

「今までのブラジャーが痛くてつけられない」「左右差や形の変化が気になる」「どんな下着を選べばいいかわからない」

――こうした悩みはとても一般的です。

ここでは一般的な情報をもとに、乳がん手術後に多い下着のお悩みと、その解決策について詳しくご紹介します。


1. 手術後に起こりやすい体型・感覚の変化

  • 傷口周囲の違和感や痛み:縫合部や脇部分に圧迫感・突っ張り感を感じることがあります。
  • 左右差:全摘出または部分切除で胸の高さ・重さに差が生じ、姿勢バランスにも影響します。
  • 皮膚感覚の変化:しびれ・引きつれなど敏感になった皮膚への刺激で、ワイヤー入りブラなどが当たると不快に感じることがあります。

これらは身体的な回復過程で自然な反応ですが、従来通りの下着では対応しづらいため、新しい工夫が必要になります。


2. よくあるお悩み

【A】「ワイヤーやホック部分が痛い」

→ 傷口付近への刺激を避けるため、ノンワイヤータイプ・前開きタイプがおすすめです。柔らかい素材で肌当たり優しいものを選びましょう。

【B】「左右差で服を着た時バランス悪く見える」

→ 専用パッド(シリコン製/綿入り)でボリューム調整可能です。ポケット付きブラなら簡単に装着できます。

【C】「肩こり・姿勢崩れ」

→ 胸部重量バランス崩れることで肩や背中へ負担かかります。軽量パッド+フィット感ある補整下着活用で改善する場合があります。

【D】「再建手術後、どんなブラを使えばいい?」

→ 再建方法(自家組織/インプラント)によって最適な形状異なります。医師または看護師へ相談し、圧迫少なく支えられるタイプ選びましょう。


3. 下着選びのポイント

  1. 締め付けない
    → ゆったりサイズ&柔軟素材(コットン・モダール等)推奨。
  2. 前開きデザイン
    → 腕上げづらい時期でも脱ぎ着ラク。
  3. ポケット付きブラ
    → パッド挿入でき自然なライン演出。
  4. ノンワイヤー
    → 傷口保護&長時間快適。
  5. 肌触り重視
    → 縫い目フラット設計 or タグレス仕様だとかゆみ防止になります。

4. 購入場所・相談先

  • 医療機関併設ショップ/補整下着専門店
  • 通販サイト(医療用カテゴリあり)
  • 病院内アピアランス支援センター → 看護師・相談員から具体的アドバイス可
  • 患者会・ピアサポート → 実際使った人同士でリアルな情報交換可能

また自治体によっては補整下着購入費助成制度もありますので、市区町村窓口へ確認してみましょう。


5. 入浴時のお悩みにも配慮

銭湯や温泉利用時、「傷あと見られるのでは」と不安になる方も多いです。その場合、

  • 入浴専用肌着(入浴用トップス)
  • 個室風呂/貸切風呂利用
    など安心して楽しめる方法もあります。不安あれば施設スタッフへ事前相談しましょう。

【まとめ】

乳がん手術後は身体だけでなく心にも大きな変化があります。

「以前と同じようには戻れない」と感じても、それは自然なことです。

しかし、自分に合う下着との出会いによって“快適さ”も“自信”も取り戻せます。

“締め付けず”“支えてくれる”一枚を探すことから始めてください。

不安点あれば主治医や看護師、病院内アピアランス支援センターへ遠慮なく相談しましょう。

“あなた自身”だからこそ似合うスタイル、その再発見こそ本当の意味での日常回復への第一歩です!