抗がん剤治療中は、薬の影響で皮膚細胞の再生力が低下し、乾燥・赤み・かゆみ・吹き出物などの肌トラブルが起こりやすくなります。

「今まで使っていた化粧品が合わなくなった」「顔だけでなく体全体もカサつく」と悩む方も多いでしょう。

ここでは一般的な情報をもとに、抗がん剤治療中でも安心してできる肌荒れ対策をご紹介します。


1. 肌荒れの原因

  • 皮脂分泌量の減少:抗がん剤や放射線治療によって皮膚バリア機能が低下し、水分保持力も落ちます。
  • 免疫力低下による炎症反応:小さな刺激でも赤みやかゆみを引き起こしやすくなります。
  • 紫外線・摩擦・乾燥など外的刺激:日常生活の些細な刺激でも悪化要因になります。

2. スキンケアの基本

【A】洗顔

  • 弱酸性・無香料タイプを使用し、泡立てネットでよく泡立てて“泡で包むように”優しく洗います。
  • ゴシゴシこすらず、ぬるま湯(32〜34℃)ですすぎましょう。熱いお湯は乾燥悪化につながります。

【B】保湿

  • 化粧水→乳液→クリームの順番で「重ね塗り」がおすすめです。
  • アルコールフリー&敏感肌用製品を選びましょう。
  • 入浴後10分以内に保湿すると効果的です。

【C】ボディケア

  • 顔だけでなく首・腕・脚など全身にも保湿クリームを塗布しましょう。
  • 衣類は綿素材など通気性良いものを選び、摩擦刺激を避けます。

3. 紫外線対策

紫外線は炎症悪化や色素沈着につながります。

  • SPF20〜30程度の日焼け止め(ノンケミカルタイプ)を使用。
  • 外出時は帽子・日傘・長袖衣類で物理的ガード。
  • 室内でも窓際長時間滞在時にはUV対策意識しましょう。

4. メイク時の工夫

肌荒れ時は「隠す」より「守る」を優先します。

  • ベースメイクはBBクリームまたはミネラルファンデーションなど低刺激タイプ推奨。
  • 厚塗りせず薄づき仕上げでOK。
  • チークやリップも保湿成分入りアイテム中心に選びましょう。

※ヒリヒリ感ある日は無理せずノーメイク+帽子スタイルでも十分清潔感あります。


5. 入浴と清潔習慣

入浴は血行促進&リラックス効果があります。ただし注意点も:

  • 熱湯NG(38〜40℃目安)
  • 石けん使用部位最小限(脇・足裏など汚れやすい部分のみ)
  • タオルで強く拭かず押さえるように水分吸収

その後必ず保湿ケアを忘れずに!


6. 症状別ワンポイント

症状 対処法
赤み/ヒリヒリ 冷タオル等で軽く冷却 → 保湿ローション塗布
カサつき/粉ふき ワセリン系軟膏 or セラミド配合クリーム活用
吹き出物 市販ニキビ薬NG!医師相談推奨
強いかゆみ 掻かないこと!冷却 or 医師処方軟膏利用

7. 医師へ相談するタイミング

以下の場合は自己判断せず早め受診してください:

  • 赤み広範囲または痛み伴う場合
  • ジュクジュクした傷口あり感染疑い
  • 市販薬使用しても改善しない場合

皮膚科または主治医へ相談すると、安全な薬用ローションやステロイド軟膏処方されることがあります。


【まとめ】

抗がん剤治療中の肌荒れ対策では、「清潔」「保湿」「紫外線防御」の3本柱が基本。

不安な変化(赤み・強いかゆみ等)があれば我慢せず早め相談してください。

“焦らず丁寧にケアする”ことで快適さと自信を取り戻せます。

不安点あれば病院内アピアランス支援センターへ遠慮なくご相談ください。

“あなた自身”だからこそ似合う笑顔、その積み重ねこそ本当の回復への一歩です!