抗がん剤治療中は、肌が乾燥したり皮脂バランスが乱れたりすることで、**メイクの持ち時間(もち)**にも変化が出やすくなります。

「朝きれいに仕上げても昼にはヨレてしまう」「マスクで擦れて落ちる」などのお悩みを感じる方も多いでしょう。

ここでは一般的な情報をもとに、治療中でも崩れにくいメイクを長持ちさせるコツをご紹介します。


1. メイクの持ちはどれくらい?

一般的に、健康な肌状態であればベースメイク(ファンデーション・下地)は約6〜8時間程度キープできます。
しかし抗がん剤治療中は以下の理由から、3〜5時間程度で崩れやすくなることがあります。

  • 肌の乾燥 → ファンデーション浮き・粉吹き
  • 皮脂分泌増加 → テカリ・ヨレ
  • マスク摩擦や汗 → 擦れ落ち

つまり、「長時間完璧」を目指すよりも、「こまめなお直し」で快適さを保つ発想が大切です。


2. メイクを長持ちさせる基本ステップ

【A】スキンケア段階で“保湿+余分な油分オフ”

  • 洗顔後は化粧水→乳液→クリームでしっかり保湿。
  • その後ティッシュで軽く押さえて余分な油分を取ってから下地へ進むと密着力UP。

【B】下地選び

  • 敏感肌用・低刺激タイプを使用。
  • 保湿効果あるものなら乾燥防止にも◎。
  • テカリ気になる場合はTゾーンのみ皮脂吸収タイプ併用OK。

【C】ファンデーション

  • 厚塗りNG!薄づき重ね塗りで自然&ヨレ防止。
  • リキッドよりBBクリームやクッションタイプがおすすめ(保湿力高め)。
  • パウダー仕上げ時はブラシまたはパフ軽タッチで。

【D】フィニッシングミスト活用

最後に「メイクキープミスト」を軽く吹きかけると密着度UP。ただしアルコール入り製品は刺激強いため敏感肌用選択推奨。


3. 持ち時間を延ばすお直し術

  1. ティッシュオフ
    テカリ部分だけ軽く押さえ、皮脂除去してからパウダー追加。
  2. フェイスパウダー
    小型ケース携帯して外出先でもサッとお直し可能。
  3. ミスト再噴霧
    乾燥感じたら保湿ミスト少量吹きかけてハンドプレスすると潤い復活!

※ゴシゴシ拭かず“優しく押さえる”動作意識しましょう。


4. マスク生活との付き合い方

マスク摩擦による化粧崩れ対策として、

  • 下地段階で「摩擦耐性あり」タイプ使用
  • ファンデーション控えめ+フェイスパウダー重点使い
  • マスク内側にティッシュ1枚挟むことで蒸気吸収&擦れ軽減

これだけでも化粧もち改善します。


5. チーク・リップの持続ポイント

■ チーク

クリームチークなら密着度高く落ちにくいです。パウダーチークの場合はフェイスパウダー前に仕込むと色もちアップ。

■ リップ

唇荒れや乾燥ある場合は口紅より色付きリップバーム推奨。ティント系ならマスク移り防止にも◎ですが、刺激成分含有製品には注意してください。


6. メイク直し頻度目安

状況 お直しタイミング
室内勤務/短時間外出 半日(4〜5時間)ごと
外出多い/汗ばむ季節 2〜3時間ごと
食事後/マスク脱着後 必要時都度

無理なくできる範囲でOK。「完璧」より「清潔感」が大切です。


【まとめ】

抗がん剤治療中の肌は敏感になっているため、一般的なメイクより持続時間短めになります。

しかし、「丁寧な保湿」「薄づき仕上げ」「こまめなお直し」で十分美しい状態をキープできます。

“清潔”“潤い”“ナチュラル”この3つを意識して、自分らしい笑顔を取り戻してください。

不安点あれば病院内アピアランス支援センターへ遠慮なく相談しましょう。

“あなた自身”だからこそ似合う自然な美しさ、その積み重ねこそ本当の回復への一歩です!