抗がん剤治療中は、薬の影響で髪や爪だけでなく肌にも変化が現れます。
乾燥・赤み・くすみ・色素沈着など、今まで使っていた化粧品が合わなくなることもあります。
「鏡を見るのがつらい」「人前に出る自信がない」と感じる方も少なくありません。
しかし、正しいスキンケアとメイク方法を知れば、肌を守りながら自然な血色感や明るさを取り戻すことができます。
本記事では一般的な情報をもとに、抗がん剤治療中でも安心してできる肌メイクのポイントをご紹介します。
1. 抗がん剤治療中の肌トラブルとは?
抗がん剤や分子標的薬は皮膚細胞にも影響するため、以下のような症状が起こりやすくなります。
- 肌の乾燥(カサカサ・粉ふき)
- 赤み・かゆみ
- 色素沈着(黒ずみ)
- ニキビ様発疹(ざ瘡様皮疹)
- 手足症候群(手足のひび割れ・痛み)
これらは一時的な副作用ですが、刺激に弱くなるため「低刺激」「保湿重視」のスキンケアとメイク選びが大切です。
2. メイク前の基本スキンケア
【A】洗顔
- 弱酸性・無香料タイプで泡立てて優しく洗う。
- ゴシゴシこすらず、“泡で包むように”汚れを落としましょう。
【B】保湿
- 化粧水→乳液→クリームでしっかり保湿。
- アルコールフリー&敏感肌用製品がおすすめ。
- 朝晩2回、「乾燥する前に塗る」意識で。
【C】紫外線対策
- SPF20〜30程度の日焼け止め使用。
- 紫外線吸収剤不使用(ノンケミカル)タイプなら刺激少なく安心です。
3. ベースメイク(ファンデーション)の選び方
■ ポイント1:低刺激処方
「敏感肌用」「無香料」「アルコールフリー」と記載されたものを選びましょう。リキッドよりも軽いつけ心地のBBクリームやパウダーファンデーションがおすすめです。
■ ポイント2:薄づき仕上げ
厚塗りするとヨレやムラになりやすいため、“ナチュラルカバー”を意識しましょう。気になる部分だけコンシーラーで補います。
■ ポイント3:ツヤより潤い重視
乾燥しやすい時期はマット仕上げよりもしっとりタイプがおすすめ。ツヤ感ある下地+フェイスパウダー少量で自然な明るさを演出できます。
4. チーク&リップで血色アップ
抗がん剤治療中は血行不良によって顔色が青白く見えることがあります。そのため、「血色感」をプラスすることで健康的な印象になります。
■ チーク
- ピンク系またはコーラル系カラーがおすすめ。
- パウダーよりもクリームチークなら密着度高く乾燥しにくいです。
- 頬骨上に軽くぼかして自然な温かみを演出しましょう。
■ リップ
- 保湿成分入りリップクリーム or ティントバーム使用。
- 唇荒れある場合は口紅より色付きリップ程度でも十分華やかになります。
- 外出時にはUVカット効果付きリップも◎。
5. メイクオフ(クレンジング)
夜は必ずクレンジングして清潔維持。ただし強力クレンジングオイルではなく、
「ミルクタイプ」または「ジェルタイプ」で優しく落としましょう。
その後ぬるま湯すすぎ+保湿忘れずに!
6. 男性にもおすすめ!
男性患者さんでも「顔色悪く見える」「眉毛抜けて表情変わった」と悩む方は多いです。
最近では男性向けBBクリームやアイブロウペンシルも増えており、「清潔感アップ=社会復帰への第一歩」に役立ちます。
7. 専門家へ相談できる場所
全国の「アピアランス支援センター」では、看護師・美容スタッフから具体的なメイク指導を受けられます。
また病院内イベントとして「メイクセミナー」開催例もあります。不安点あれば遠慮せず相談してくださいね。
【まとめ】
抗がん剤治療中でも、安全性と保湿力重視のアイテム選び&ナチュラルメイクなら安心して楽しめます。
“清潔”“潤い”“血色”この3つを意識するだけで印象はぐっと明るく変わります。
不安点あれば主治医または病院内アピアランス支援窓口へご相談ください。
“あなた自身”だからこそ似合う笑顔、その再発見こそ本当の意味での回復への一歩です!