がんの手術や事故などで身体の一部を失ったあと、「見た目を取り戻したい」「人前でも自然に過ごしたい」と考える方にとって、**エピテーゼ(Epithese)**は大切な選択肢です。
しかし実際に作るとなると、「どれくらい時間がかかるの?」「いつから使えるようになる?」という疑問を持つ方も多いでしょう。
ここでは、一般的な情報をもとに、エピテーゼ完成までの期間と製作プロセスについて詳しく解説します。
1. エピテーゼとは?
エピテーゼとは、病気やけが、手術などで失われた身体の一部(顔・耳・鼻・指・乳房など)の形態や機能を補うために作られる**人工補綴物(義補綴物)**です。
素材には主にシリコーン樹脂など生体親和性高く柔軟なものが使用され、皮膚色や質感まで自然に再現できます。
オーダーメイド製作で、一人ひとり異なる形状・色味・装着方法(接着剤/磁石/インプラント固定等)に合わせて仕上げます。
2. 製作期間の目安
一般的な製作期間は以下の通りです。
種類 | 製作期間目安 |
---|---|
顔面エピテーゼ(耳・鼻など) | 約4〜8週間 |
指・手足用 | 約3〜6週間 |
乳房エピテーゼ | 約2〜4週間 |
インプラント固定式タイプ | 手術含め数ヶ月以上 |
※あくまで平均的な目安であり、部位やデザイン複雑さ、素材調整回数によって変動します。
3. 完成までの流れ
【Step1】カウンセリング
- 医師または技工士との面談で目的・希望デザイン確認。
- 使用場面(日常生活中心か外出時限定か)、肌トーン、装着方法など相談します。
【Step2】型取り
- 欠損部位または反対側正常部位から型を採取し、左右対称バランス確認。
- シリコン印象材使用し痛みほぼなし。
【Step3】試作品(ワックスモデル)制作
- 実寸大模型を仮製作して形状確認。
- 鏡で見ながら微調整可能。「もう少し丸み」「高さ」など細かな要望反映。
【Step4】最終仕上げ
- 色合わせ:肌色だけでなく血管模様やそばかすまで再現。
- 素材硬度調整:柔らかさ重視 or 耐久性重視選択可。
【Step5】フィッティング&引き渡し
- 実際装着してズレ感や圧迫感確認。不具合あればその場修正。
- 装着練習&お手入れ指導受けて完了!
4. なぜ時間がかかる?
- 完全オーダーメイド
→ 一人ひとり異なる形状・色味再現必要。既製品なし。 - 微調整工程多い
→ 試作品段階で何度も確認し「納得できる自然さ」追求。 - 医療チーム連携
→ 医師監修+技工士制作+患者本人意見反映という共同プロセスだからこそ安心品質。
5. 急ぎの場合どうする?
「早く外出できるようになりたい」という場合には、
- 仮義補綴(プロビジョナルタイプ)を先行装着 → 後日正式版へ移行
- 部分パーツのみ先行納品 → 残り後日追加加工
といった対応可能施設もあります。まず相談時点で希望伝えましょう。
6. メンテナンス時期
完成後も定期メンテナンス推奨です。
- 初回:1〜3ヶ月後チェック(フィット感確認)
- 定期:年1回程度クリーニング&色調整
→ 平均耐用年数は約2〜5年ですが、お手入れ次第で長持ちします。
【まとめ】
エピテーゼの製作期間はおおむね2〜8週間程度ですが、部位や仕様によって差があります。
完全オーダーメイドゆえ時間はかかりますが、その分「自分だけの自然な仕上がり」が得られることが最大の魅力です。
「費用」「納期」「助成制度」など不安点あれば主治医または病院内アピアランス支援センターへ遠慮なく相談してください
。“あなた自身”だからこそ似合う自然な形、その完成まで焦らずじっくり向き合っていきましょう!