1. 入浴着とは
**入浴着(にゅうよくぎ)**とは、温泉や銭湯などの公衆浴場で入浴する際に、体の一部を覆うことができる専用の肌着です。
水着に似た素材で作られており、そのまま湯船に浸かれるよう設計されています。
乳がん手術後の胸部の傷あとやストーマ装具、皮膚移植痕など「人目が気になる」「視線が不安」という方でも安心して入浴できるように考えられたものです。
厚生労働省も「入浴着を着用した入浴」について理解促進を呼びかけており、徐々に全国の温泉施設や銭湯でも受け入れが広まりつつあります。
2. 入浴着を使うメリット
- 心理的安心感:手術痕や医療処置部位を隠せることで、人目を気にせずリラックスして入浴できます。
- 衛生面配慮:速乾性・抗菌性素材で作られているため、公衆浴場でも清潔さを保ちやすいです。
- 社会参加支援:温泉旅行や友人との外出など、「またみんなと一緒に楽しめる」きっかけになります。
3. デザインと種類
- ワンピース型/セパレート型:胸部~腹部までカバーできるタイプから上下分かれたタイプまであり、用途によって選べます。
- カラーはベージュ・ブラックなど落ち着いた色合いで、水中では目立ちにくい工夫があります。
- 伸縮性素材使用で動きやすく、そのまま洗体・洗髪も可能です。
4. 利用時の注意点
- 事前確認必須:施設によってはまだ利用不可の場合もあるため、「入浴着使用可否」を問い合わせてから行くと安心です。
- 専用品推奨:通常の水着ではなく「医療用・公衆浴場対応」と明記された商品がおすすめです(透け防止・速乾加工あり)。
- 購入方法:インターネット通販、医療関連ショップ、一部病院売店などで取り扱われています。「乳がん 入浴着」「ストーマ 入浴着」で検索すると見つけやすいです。
5. 社会的背景
これまで「裸でなければならない」という固定観念から、公衆浴場で傷あとを隠すことは難しい状況でした。しかし近年は厚生労働省による啓発活動もあり、「誰もが安心して温泉文化を楽しめる社会」を目指して理解が広まりつつあります。「見た目によって制限されない生活」を支えるアピアランスケアの一環として注目されています。
【まとめ】
入浴着とは、公衆浴場で手術痕や装具をカバーしながらそのまま湯船につかれる専用肌着です。
不安なく温泉や銭湯へ行けるようになり、生活の質(QOL)向上にも大きく役立ちます。
ただし利用には施設側への確認と専用品選びが大切。不安な場合は病院内相談窓口(がん相談支援センター)でも情報提供してもらえます。
“またみんなと一緒にお風呂へ”という時間を取り戻すためにも、ぜひ活用をご検討ください✨