1. リンパ浮腫はなぜ起こる?
リンパ浮腫は、乳がん・子宮がん・卵巣がん・前立腺がんなどの手術で リンパ節を切除 したり、放射線治療でリンパ管や周囲組織がダメージを受けたりすることで、リンパ液の流れが滞って腕や脚に「むくみ」が生じる状態です。
一度発症すると完治は難しく進行性であるため、「予防」と「早期発見」がとても重要になります。
2. 確実な予防法はない
現時点では「これをすれば絶対に防げる」という方法はありません。
ただし、日常生活での工夫によってリスクを減らすことは可能です。
3. 日常生活でできる予防のポイント
(1)体を動かしてリンパ流れを促す
- 軽いストレッチやウォーキングなど無理のない運動習慣を持ちましょう。
- 筋肉ポンプ作用(特にふくらはぎ・腕)がリンパ液循環改善につながります。
(2)適正体重を維持する
- 肥満はリンパ浮腫リスク因子です。
- バランス良い食事と定期的な体重測定でコントロールしましょう。
(3)皮膚ケアで感染予防
- 毎日の保湿 → 乾燥やひび割れから細菌侵入しないよう守ります。
- 傷・虫刺され・水虫など皮膚トラブルは早めに治療しましょう。
- ガーデニングや調理時には手袋使用がおすすめです。
(4)体への負担を避ける
- 重い荷物を長時間持たない(買い物カート利用など)。
- 長時間同じ姿勢(立ちっぱなし/座りっぱなし)は避け、合間に軽く動かす習慣をつけましょう。
- 入浴やサウナなど過度な温熱刺激もむくみ悪化要因になるため注意します。
(5)衣類選びにも工夫
- 締め付け強い下着や靴下は避けましょう(ゴム跡残り=圧迫サイン)。
- ゆったりした服装で血流・リンパ流れ妨げないよう配慮します。
4. セルフチェックと早期対応
予防と同じくらい大切なのが 「早めに気づくこと」 です。
以下の変化あれば主治医へ相談してください:
- 腕や脚の左右差(太さ違う)
- 重だるさ・張り感続く
- 指輪や靴下跡が消えにくい
5. 専門外来の活用
病院によっては「リンパ浮腫外来」「アピアランス支援センター」で専門スタッフによる評価・指導(圧迫療法、マッサージ指導等)が受けられます。不安あれば自己判断せず相談しましょう。
【まとめ】
リンパ浮腫には確実な予防法はありません。
しかし、適度な運動・体重管理・皮膚ケア・生活上の工夫 によってリスク軽減できます。
そして何より大切なのは「小さな変化に気づいたら早めに相談」すること。
不安点あれば主治医や看護師へ遠慮なく伝えてください。“自分らしい毎日”を守る第一歩になります✨