抗がん剤治療や脱毛症などで髪の毛を失ったとき、多くの方がまず手に取るアイテムのひとつが「医療用帽子」です。

ウィッグ(かつら)ほど準備や費用がかからず、気軽に使えることから「自宅では帽子派」「就寝時は帽子で安心」という患者さんも少なくありません。

しかし、「普通の帽子と何が違うの?」「どんな種類を選べばいい?」「夏や冬でも快適に使える?」と疑問を持たれる方も多いでしょう。

本記事では、一般的な情報をもとに、医療用帽子について詳しくご紹介します。


1. 医療用帽子とは?

医療用帽子は、抗がん剤治療や脱毛症などで髪を失った方のために作られた専用の帽子です。通常のファッション帽子との大きな違いは以下です。

  • 肌当たりへの配慮:縫い目やタグ位置を工夫し、敏感になった頭皮にも優しい設計
  • 通気性・吸汗性:コットンや竹繊維など天然素材中心で蒸れにくい
  • 保温性:薄毛・無毛状態でも冷えないよう裏地付きタイプあり
  • 就寝対応:締め付け感少なく、横になっても痛くならないデザイン

つまり「おしゃれ」だけでなく「快適さ」と「安心感」を両立したアイテムなのです。


2. 医療用帽子のメリット

  1. 気軽さ
    ウィッグより着脱簡単。「ちょっとコンビニへ」「宅配受け取り」など日常シーンで便利です。
  2. 経済的負担軽減
    数千円程度から購入可能。洗濯機OK商品も多く複数枚揃えやすい点も魅力です。
  3. 頭皮保護
    紫外線・乾燥・冷え対策として有効。「外出時の日焼け防止」「冬場の防寒」に役立ちます。
  4. 就寝時安心
    夜間は体温低下しやすいため、被って眠ることで冷え予防&抜け毛散乱ストレス軽減につながります。

3. 種類と選び方

【A】素材別

  • コットン100%:肌触り柔らかくオールシーズン対応
  • シルク混:高級感+保湿効果あり
  • 竹繊維(バンブー):吸湿速乾性◎ 夏場おすすめ

【B】用途別

  • 室内リラックス用:薄手・締め付けなし
  • 外出用:デザイン性重視/UVカット加工あり
  • 就寝用:縫い目フラット&ソフトフィット

【C】デザイン別

  • ターバン風/キャップ型/クロッシェ型など豊富。
  • スカーフ付きタイプなら首元までカバー可能。

4. 季節ごとの工夫

  • 夏場:通気性重視!メッシュ裏地・竹繊維素材がおすすめ。汗取りインナーキャップ併用すると快適度UP。
  • 冬場:二重構造&フリース裏地タイプで保温力確保。「室内暖房+乾燥」で痒み起こりやすいため保湿ケア忘れずに。

5. 購入場所・助成制度

医療機関売店、専門通販サイト、市販ドラッグストア等幅広く入手可能です。

また一部自治体では「医療用ウィッグ助成金」と同様に医療用帽子購入費補助対象となる場合がありますので、お住まい地域窓口へ確認してみましょう。


6. お手入れ方法

ほとんどの商品は家庭洗濯OKですが、中には手洗い推奨品もあります。

長持ちさせるためにはネット使用+陰干しがおすすめです。複数枚ローテーション利用することで清潔&快適さキープできます。


7. 心理的サポートとしての役割

外見変化による不安は大きな心理的負担になります。

「人前に出づらい」「病気だと思われたくない」…そんな時、医療用帽子は“安心できる鎧”として心強い味方になります。

またお気に入りカラーや柄を選ぶことで、おしゃれ心を取り戻し前向きな気持ちにつながります。


【まとめ】

医療用帽子は、「快適さ」「経済性」「おしゃれ」の三拍子そろった頼れるアイテムです。

ウィッグとうまく使い分ければ、治療中の日常生活をぐっと楽にしてくれるでしょう。

不安点あれば病院スタッフや相談支援センターへ遠慮なく質問してください。

“あなた自身”が少しでも楽になれる工夫、ご自身ペースで見つけてくださいね!