### 抗がん剤治療中の眉毛メイク:自然な表情を取り戻すテクニック
抗がん剤治療を受けると、多くの方が眉毛の脱毛を経験します。
「眉毛がなくなると、顔の印象がガラッと変わってしまう」という不安は、治療を受ける皆さんやご家族にとって切実なものですよね。
でも心配しないでください。適切なテクニックと道具があれば、自然で美しい眉毛を再現できるんです。
治療中でも自分らしい表情を保つためのヒントをお伝えします。
眉毛の状態を理解しましょう
抗がん剤の種類や個人差によって、眉毛の抜け方はさまざまです。
完全に抜けてしまう方もいれば、部分的に薄くなる方、ほとんど変化がない方まで。まずは自分の眉毛の状態をよく観察してみましょう。
治療開始前に、できれば自分の眉毛の形を写真に撮っておくか、眉の形を紙に写し取っておくと、後々のメイクの参考になりますよ。
「元の自分の表情」を思い出す助けにもなります。
残っている眉毛を活かすテクニック
抗がん剤治療では、眉毛が薄くなったり部分的に抜けたりすることが多いんです。残った眉毛を最大限に活かしましょう。
まず、残っている眉毛の色をよく見て、それに近い色の眉ペンシルやパウダーを選びます。
自然な眉色は、髪の毛より2〜3トーン明るい色が基本です。髪の毛が抜けている場合は、元の髪色や、肌の色と調和する色を選びましょう。
残った眉毛を起点に、短い毛を描くようにペンシルで足していきます。一気に描かず、少しずつ足していくのがコツです。
初めは薄めに描き、徐々に濃くしていくと失敗が少なくなります。何度か練習するうちに、だんだん上手になっていきますよ。
ゼロから作る理想的な眉毛
眉毛が全く無くなってしまった場合でも、心配いりません。ゼロから理想の眉毛を再現できます。
簡単な眉の位置決めの方法をお教えします:
1. 眉頭:鼻の脇から真上に伸ばした位置
2. 眉山(一番高い部分):鼻の脇から黒目の外側を通る線上
3. 眉尻:鼻の脇から小鼻の外側を通る線上(目尻より少し外側で終わるのが自然)
描く際は、まずパウダーで全体の形を薄く作り、その後ペンシルで毛並みを描き足すと自然な仕上がりになります。
特に眉頭は薄く、眉尻に向かって少し濃くなるグラデーションを意識すると立体感が出ます。
眉毛テンプレート(型紙)を使うと、毎日同じ形を簡単に再現できるので、初心者の方には特におすすめです。インターネットや薬局で手に入りますよ。
肌に優しく長持ちさせるコツ
抗がん剤治療中は肌が敏感になっていることが多いので、低刺激の製品を選びましょう。
敏感肌用やミネラルコスメがおすすめです。使用前に腕の内側などでパッチテスト(肌に少量塗って反応を見る)をするのも良い方法です。
メイクを長持ちさせるには:
• ベースに薄くフェイスパウダーを塗ると、眉メイクがくっつきやすくなります
• ウォータープルーフタイプの製品を選ぶと汗や水に強くなります
• 最後に眉マスカラやアイブロウコートを重ねると崩れにくくなります
• 入浴前に専用のメイク落としでしっかり落とすことも、肌トラブル予防に大切です
心の準備とサポート体制
眉毛の変化に対応するには、テクニックだけでなく心の準備も大切です。
鏡を見るたびに違和感を感じるかもしれませんが、それは自然なことです。少しずつ慣れていきましょう。
ご家族や友人に協力してもらうのも良いアイデアです。
「この眉毛、自然に見える?」と率直に尋ねたり、一緒にメイクの練習をしたりすることで、自信がつきます。
病院によっては、外見ケアの専門家やアピアランスケアの相談窓口があることも。積極的に利用してみてください。
同じ経験をした方々のアドバイスは、何よりも心強い味方になりますよ。
完璧を目指さなくても大丈夫。その日の体調や気分に合わせて、ご自身のペースでメイクを楽しんでくださいね。あなたらしさが一番の美しさです。