### アピアランスケアとしてのネイルケア:治療中も自分らしく

抗がん剤治療を受けられる方にとって、外見の変化は大きな心の負担になることがあります。

でも、そんな時こそ、自分らしさを保つ小さな工夫が心の支えになるんですよ。ネイルケアはその一つ。

手元に彩りが加わるだけで、不思議と気持ちが明るくなるものです。今日は、治療中でも安心して楽しめるネイルケアについてお話しします。

### 主治医に確認!治療中のネイルケアの基本

まず最初に、ネイルケアを始める前に主治医に相談することをおすすめします。治療の種類や状態によって、注意点が異なることがあります。

特に知っておきたいポイント:
– 爪の状態の変化(弱くなる、割れやすくなる)は治療の副作用の一つ
– 治療内容によっては、医師から「爪の観察が必要」と言われることも
– 治療中の免疫力低下を考慮した衛生管理が大切

主治医からOKが出たら、自分の体調に合わせてネイルケアを楽しみましょう。

「今日はちょっと元気」という日の小さな楽しみにするのもいいですね。

### プロに依頼するメリットとサロン選びのポイント

プロのネイリストに任せると、体力を使わずにきれいな仕上がりを楽しめます。

でも、サロン選びは慎重に行いましょう。

チェックしたいポイント:
– 「医療対応ネイル」や「がん患者さん対応」と明記しているサロン
– スタッフが使い捨て手袋を着用し、器具の消毒・滅菌が徹底されている
– 個室など、他のお客さんと距離が取れる環境
– 強い香りのない、換気の良い空間
– あなたの体調に配慮してくれる姿勢がある

予約の際には「抗がん剤治療中で、短時間で済ませたい」「爪が弱くなっているので優しい施術をお願いしたい」など、具体的な希望を伝えておくと安心です。

最近では、病院内にネイルサロンを設置している医療機関もありますので、主治医や看護師さんに相談してみるのも良いでしょう。

### お家でできる!自分でマニキュアを楽しむ簡単テクニック

サロンに行く元気がない日や、自宅でのんびり楽しみたい方には、セルフネイルがおすすめです。

基本の手順と注意点:
1. お手入れの前に手をきれいに洗いましょう
2. 爪やすりは細かい目のものを選び、一方向にやさしくなでるように
3. 保湿成分入りのベースコートで爪を保護(必須です!)
4. カラーは薄く2回塗りがキレイ(1回目が乾いてから2回目を)
5. トップコートで長持ち仕上げ

治療中に爪が弱くなっている場合は、爪に負担をかけないネイルケアを心がけましょう。

ベースコートは栄養成分入りのものを選ぶと、爪のケアにもなりますよ。

除光液は、アセトン(溶剤の一種)が入っていないものを選ぶと爪の乾燥を防げます。

### 簡単!非利き手でも上手に塗るコツとトラブル対処法

「自分でやりたいけど、上手に塗れるか心配…」という方も多いと思います。特に治療中は手の震えを感じることもあるかもしれませんね。

実践コツ:
– 安定した姿勢で:肘をテーブルにつけて、手首を安定させましょう
– 少量ずつ:筆に含ませる量は少なめに、数回に分けて塗る
– 薄く塗る:一度で完璧を目指さず、薄く何度か重ねる
– はみ出しても大丈夫:綿棒に除光液を少し含ませて修正

もっと簡単に楽しみたい方には、マニキュアシールやスタンプネイルという方法もあります。

シールタイプは爪に貼るだけ、スタンプは専用のスタンパーで転写するだけなので、手先の細かい動きが難しい時でも楽しめますよ。

100均でも手に入るのでチャレンジしやすいのも魅力です。

### 癒しの時間に変える~ネイルケアの心理的効果

ネイルケアの時間は、治療のことを少し忘れて、自分と向き合う大切なひとときにもなります。

マニキュアを塗る15分間は、まさに「自分のための時間」。

心理的な効果:
– 色を選ぶ楽しさで気分転換になる
– 「今日は何色にしようかな」と考えることが、明日への小さな楽しみに
– 手元に彩りが加わると、日常の何気ない動作が少し特別に感じられる
– 「自分らしさ」を取り戻す小さなステップになる

ご家族の方にマニキュアを塗ってもらうのも素敵な時間になります。

「今日はどんな色がいい?」と聞かれるだけでも、選ぶ楽しさが生まれますよ。

大切なのは「できる範囲で」楽しむこと。無理せず、その日の体調に合わせてケアを楽しんでください。

鮮やかな爪先を見るたびに、小さな喜びを感じられますように。そして、それがあなたの治療を乗り越える力になりますように。